「マーク・ブラッド、あいつは頼りになる男だ!FBIをしくじったらしいが、俺の用心棒代だけの仕事は十分やってくれるぜ!」
「どうしてしくじったの?」
「俺たちの世界じゃ過去をほじくらねえのが礼儀ってもんなのさ!」
(ストーリー)
フロリダのマイアミのプールサイドでトニー・コロンボが女性に囲まれ、マッサージを受けていた。市警のサンチェスから、何者かが命を狙っているから注意しろと電話がかかってきた。コロンボが立ち上がった瞬間に狙撃された。悲鳴を上げる女たち。
部下は見渡すが、誰もいない。ただ水平線の彼方に、一隻のボートがあった。会場の揺れるボートの上から超高速射撃は無理だと全員が思った。そしてボスが死ねば、自分たちの仕事はなくなる。これで組織は終しまいだと言いあった。
マーク・ブラッドがテッド・アダムズにトニー・コロンボが射殺されたことを伝えた。恐らく米麻薬捜査局と麻薬・危険薬取締局の合同会議が開かれ、麻薬の密輸の総元締めであるアダムズを消すことを決議したと予想。そして、そっくりを雇っておいた。それが殺されたコロンボであった。
アダムズはマークにコロンボの殺し屋を探すよう依頼した。本気でビッグ・テディ(アダムズ)を殺したと思っているかどうかがわからなかった。アダムズはヨットを貸した男から、借りた男の特徴を聞き出した。間違いなくゴルゴだと思った。
(解説)
「南フロリダ殺人ゲーム(前編)」の一幕である。右肩上がりの経済だった頃は、概ね同じことをやっていれば、同じ結果になった。あるいはもっと良い結果になったはずだから、過去何をやってきたかによって、その人のこれからの成果も想像がつく。
しかし、もはやそんな時代が終わった。同じことをやっても同じ結果が出る時代ではない。むしろ同じことをやったら、以前のパフォーマンスより落ちる。過去何をやってきたかによって、使う方がどれくらい何ができるのかを想像しなければならなくなった。全く過去を問わなくていいというわけではないが、色々なことをやってきた人材は、今までであれば単なる飽きっぽい奴、どうせうちでも続かないと判断しがちだが、そのビジネスがその人物にとってぴったりくる場所だったら、もの凄く使えるかもしれない。だからあまり過去に拘っても仕方がない。過去に成功体験があると、それにとらわれてしまうこともある。自由な発想を持った人材の方が良いこともある。ところ変われば品も変わると思った方がいい。
そもそも、過去の経歴が通用しない時代になりつつある。明日がどうなるかわからない時代であり、ビジネスはその最たる例だ。
過去何をしてきたかではなく、その人が将来何をしたいと思っているか、そのために今まで何をしてきたかの方が、その人の能力を計るにふさわしいと思われる。
[教訓]
〇過去何して来たかではない。将来何をしたいかと、そのために何を過去してきたかが、その人の能力を計るのにふさわしい。