「猛烈は時代遅れだの何だの言ったって・・・連中が今日の日本の繁栄を支えているのは事実なんだ!」
(ストーリー)
広告代理店博通の鎌田は仕事に追われて帰社が午前2時になっていた。会社に局長がいた。社長命令で突然シーザー電子の担当をすることになった。
警視庁公安部外事一課の生島は鎌田の大学サッカー部時代からの友人であった。生島は鎌田に、シーザー電子の技術ビームマイクロ・スクランブラーは核兵器の無力化が可能で、KGBが社長の影山を恐喝しているから気を付けろと忠告した。
社長の影山は旅行中の息子がプラハで逮捕され、モスクワの刑務所に送られた。そこで技術のデータが入ったフロッピーをKGBに渡したという。
警視庁外事一課は、ゴルゴに、ソ連とのパイプ役になっているミスターMの殺害を依頼。ミスターMとは鎌田の上司八杉局長であった。鎌田が八杉の屋敷を通りかかったときに偶然ゴルゴの顔を見た。
スクランブラーの万博出典を中止することになった。それはシーザー電子のブースのある東菱館を爆破すると脅迫電話があったという。液体爆薬を起爆させるには、外部からの雷管の狙撃が必要という。鎌田は生島の協力を得て、ゴルゴを探し、狙撃者を殺害するよう依頼した。
(解説)
「シーザーの眼」の一幕である。この題材はつくば万博であるから、1985年のことである。思えば日本が一番自信を持っていた時期と言えよう。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」をエズラ・ヴォーゲル氏が著したのもこの時代であった。
昔、モーレツもOKだったのは、その結果、みんなが経済的富を享受できたからであろう。今はモーレツに働いても給料にほとんど反映されない時代になってしまった。頑張っても意味がないから、モーレツよりもワークライフバランスとか働き方改革というキーワードが先行する世の中になってしまった。
しかしいつの時代も「モーレツ」が社会を支えるのだ。このモーレツに期待できるのは、起業家を始めとした経営者しかいない。経営者はモーレツに仕事をしても、労働基準法違反にはならない。規制外、アウトローではなくてアウトレギュレーションといったところか。
但し、単なるモーレツはやはり時代遅れであろう。ぜひ、効率的なモーレツ、自分の夢をかなえるという、自分のためのモーレツを目指して欲しいものだ。誰かが自分のためにモーレツして、それに周囲が引っ張られる運動エネルギーが生じる。そうやって日本も再び元気を取り戻すことを祈りつつ。
[教訓]
〇モーレツできるのは起業家と経営者しかいない。モーレツは社会を支える。