「あなたのスポンサーは、死んでいるのに、誰のために仕事を」
「俺は依頼主の息のあるうちに、仕事を引き受けたんだ。」
(ストーリー)
ある依頼者が愛するマルタンを取られ、マルタンを取ったバン・シュルツという男を殺害してくれという依頼。その依頼内容をゴルゴが聞いているときに、その依頼者はバンの刺客によって射殺されてしまった。そして、その正体を中々見せないバン。ゴルゴはマルタンという女性の待女に化けていたのがバンだと分かり射殺した。
(解説)
「死に絶えた盛装」の一幕である。大抵ビジネスはおカネさえもらってしまえば終わりと言わんがばかりである。リピーターに拘らなければならない商売は、一回ごとの売上が小さな場合である。飲食店や美容室は、ワンショットの売上が小さいから、何度もお客として来店してくれなければならなくなる。これが、証券や不動産のように一度だけで巨額の手数料を抜ける商売ともなれば、おカネさえ一度受け取ってしまえば終わりで良くなる。
あるいはそれほど大きくなくても、一生に何度もない買い物であれば。その一度だけ手掛ければよくなる。何度もない買い物であれば、その一回だけに関わるしかなく、その後でどうなろうとそれほど問題ではなくなる。
ゴルゴはお金をもらえばそれでいい商売ではない。お金をもらって、その仕事を完遂するまでが重要と考える。それは、そのお客からの仕事は概ね一度きりだろうが、別のお客から仕事を受ける可能性があるからである。
あるお客とは一度きりかもしれない。しかしその一度のときにきちんと顧客満足を与えておけば、評判を聞いて、仕事の依頼が舞い込むに違いない。
[教訓]
〇一度きりでも顧客満足を考えて仕事をせよ。そのお客がリピーターにならなかったとしても、別のお客を連れてくるかもしれない。