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組織をまとめるのは理屈ではなく気持ちだ

「わしに逆らうのをやめれば、すぐにでも出してやる、と・・・それは、奴への思いやりではない・・・わしに逆らう奴に、少しでも早く音を上げさせて、あの独房の恐ろしさを、囚人共に思い知らせるためだ!!ところが奴は、その独房で二年間頑張った!そんなあいつが何でも言うことを聞くから、独房から出してくれと言ったとき、わしはわしの勝利に喜んだ!・・・そ、そして、わしはその喜びのために、目が見えなくなってしまっていたのだ!!」

(ストーリー)
モーリタニアの首都ヌアクショット刑務所から2度の脱獄を図ったボルスという男がいた。規則上、2度目の脱走は銃殺刑となっている。銃殺刑の前にボルスは遺書を書いて家族の下に出すことを許可され、それを実行した。ボルスは銃殺された。

その遺書に就役心理学者であるウォートン教授は気づき、単なる遺書ではなく、暗号文であり、暗殺者に刑務所の所長バッコム、警備長のガーソン、そして教授を殺す依頼であることが判明した。ゴルゴがヌアクショットに到着してすぐに、暗殺者として囚われ、ヌアクショット刑務所の独房に入れられた。

教授はゴルゴが何か切り札をもっていて、刑務所から脱獄するのではないかと睨んでいた。それを知るまでは射殺しないと考えていた。

まずボルスが最初に遺書を送った弁護士が殺された。次に別の囚人が独房の合いかぎを作っていたことが判明、しかしゴルゴにとってはそれも切り札ではなかった。

ゴルゴは60日目に脱獄するが、鉄格子を塩で腐食させて壊れやすくし、小窓から脱出を果たした。ボルスが2年間その独房に入り、塩で腐食させておき、ゴルゴがその後を継いだ。脱獄した日、ボルスからの仕事の依頼を果たした。

(解説)
「60日間の空白の再開」の一幕である。上記は囚役心理学者のウォートン教授の台詞。頭でっかちの人間が、考えることはかえって反感を覚えることが多い。その反感をぐっとこらえて、ボルスは自分の命を懸けて、滅茶苦茶な刑務所の上層部をゴルゴの手に賭けさせた。

理屈に事実をねじ込んで、自分の理論の正当性が正しければ、油断してしまう。理論が常に正しいと思い込む。そんなわけで、ハートのこもらない理屈を聞いても、一般人はそんな理屈に従いたくもない。組織でもトップやマネジメントを張る人間が、頭でっかちの場合はあまりうまくいかない。たまに頭がない人間が上にいて、下は高学歴という組織もあり得るが、うちの上はバカだから、と言って下は喜んで従わない。それらの架け橋を担う人間が組織には必要だ。

[教訓]
〇理屈ではない。人はハートに従う。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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