「先物やオプションで・・・本当に暴落を回避できるのか、例えば、1929年のブラックサーズデー並みの暴落が発生したら?」
「確かに100%機械に依存していると、予想外の事態に対応できない。しかしランペトラはその上に半世紀のトレーダーたちのノウハウがある!何があっても大丈夫さ!」
(ストーリー)
アメリカ証券取引委員会(SEC)のシャーク委員長は、インサイダー取引を行ったと思われるポリャンスキーに警告に来た。暗殺者がポリャンスキーを狙っていると。ポリャンスキーはハッタリだと思ったが、そのときに窓から弾丸が飛び込んできた、ゴルゴが狙撃したものだが、ポリャンスキーは洗いざらいに話すから、保護してくれと頼んできた。逮捕と自白が目的だったので、ゴルゴはわざと外したのである。
さて、ポリャンスキーが自白をしたことで、エクセル・バートン証券がSECの捜査対象となった。この証券会社が役員や社名の匿名口座を使って、ポリャンスキーに儲けさせてもらっていた。インサイダー取引幇助である。そこで年収の何倍にもなる課徴金を支払わされた。
ポリャンスキー疑惑の動揺によって、株式市場が暴落し、損をする人が続出。中にはやけになって、猟銃を持って証券会社で暴れだす者もいた。やむなく、証券会社で今回違反したものは、ほとぼりが冷めるまで、退職扱いになった。特にプログラムを組んだ、ハミルトンは退職させられた。ダニエル・ハミルトンはブラックマンデーをしのぐ大恐慌を起こしてやるといきり立った。
ハミルトンはその後、会計事務所で働いていて、M&Aに携わることになった。しかも航空会社の買収である。
実は10月13日の金曜日にコンピューターを使用するとデータが片っ端から消去するコンピューター・ウィルスが仕掛けていることが判明した。しかもこれがハミルトンの仕業だという。そしてハミルトンは今回の買収によって融資されたお金を使って、市場を錯乱させようとしていた。シャークはまたゴルゴに仕事を依頼、ハミルトンとPCの狙撃であった。
(解説)
「プログラム・トレーダー」の一幕である。上記のランペトラは、オランダのロッテルダムが本社の国際投資信託会社という設定である。その国際投資部の部長とSECのシャークとの会話である。
元々システムトレーディングは、人だとパニックを起こすために、感情によって売買のタイミングを間違うという理由で始められたはずなのだが、その結果として、かえって市場を混乱させる原因ともなっている。
現実的には平常時にはシステムトレーディングに任せながらも、パニックになった時には人が判断する、あるいはサーキットブレーカーによって、取引が止まる仕組みでパニックを防ぐということが行われている。最近AI投資も増えてきている。
さて、AIがビジネス界に次第に入り込んでいるが、確かに提携業務は正確にこなすだろうが、まだ考える必要のある所には、人間の知恵が必要である。しばらくはAIを上手く活用した人が、人的コストをかけることなく稼げる世の中になるだろう。やはり当面は人が中心である。考えない人は人の意味がなくなるから、いずれ淘汰される。
[教訓]
〇人が考えなくなったら淘汰される。AIを使いこなし、人的コストを下げられたビジネスが今後成長する。