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どん底を見ている人間の方がいざという時には強い

「・・・その交渉人を引き受けたのが、あんただっが・・・子供は目の前でハチの巣に・・・世界一と評価されていた交渉人の信用が崩壊した瞬間だった・・・」
「だったら・・・なぜこの俺に?交渉人の世界では・・・一度失った信用は戻らないんだ・・・」
「あんたは一度、手痛い失敗を犯したが故、その細心さを身に着けたはずだ!そこを見込んだ私の目に狂いはない!信用を挽回する万に一つの機会だぞ!」

(ストーリー)
モスクワにあるジェイソン・モスクワ石油に武装集団が立てこもった。実は人質の中にゴルゴもいた。ロシア内務省の組織犯罪対策部のセルゲイ・ロストフ、デルタフォース(アメリカの特殊部隊)のケリー・マクギネスがそれぞれの組織で共同戦線を張ることになった。ロシアで起こったことであるが、人質の中にアメリカ人もいるためである。

交渉人のスティーブ・マコーマーが赤十字と共にやってきた。そして人質を解放する条件をリーダーに尋ねた。それに食料は加工されていない食材で、毎日冷たい缶詰にサンドイッチでは飽きる。医薬品は、応急処置をしたり、武装集団もストレスが溜まって体調を崩しているだろうと。

しかし武装集団は具体的な条件を提示しない。彼らはロシアはこの手で再生させる。そのためおかしな真似をしない限り、人質の命を保証すると。さらに人質を同志だと思っているともいう。交渉人の作戦通り、人質と犯人が共同で行う仕事が、お互いを肯定的にする。武装グループが人質に危害を加えることがなければ、交渉がやりやすくなる。

武装集団は、会見を開く。ロシア政府上層部が旧共産党資金を私的に流用していると。指導者層が私利私欲に走るのを許せぬと。その会見後、警官隊が突入すると、すでに武装集団は逃亡していた。そしてその集団にゴルゴと交渉人がついていった。実はこれはロシアのクーデターであり、その黒幕のところにゴルゴは案内させたのだ。ゴルゴは一人でクーデターを鎮圧した。

(解説)
「人質」の一幕である。信用というのは築くのは大変だが、崩れ去るときは一瞬である。コツコツ積み上げたものが一気に崩れる。まさに天国から地獄を見る。しかし平地にしかいない者よりも、一度地獄を見た者は、その後が強い。普通のマンションにしか住んだことのない者よりも、事業が失敗して、四条一間、トイレなし風呂なしの生活を強いられる。そこから人生の大逆転が始まるのだ。失う物がなくなってから、全てから解放されたように動ける。

失うものがあるときは、どうしても守りに入ってしまう。しかし失うものがなければ、後は攻めるしかない。攻め続ければいつかは勝つ。守り続けて何もしなければ、勝つことはない。だからどん底を見た者は強い。しかしどん底に慣れてしまってはいけない。

[教訓]
〇どん底を見れば、失うものがなくなる。後は攻めるだけになる。そうなると人間は強い。なまじ守るものがあると、守りながら戦わなければならないから、攻撃力は半減する。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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