「我々は皆、義によって血盟の契りを結んだ者たちばかりです!この紐帯を乱さんとする者には、必ず復讐する!それが私たちの掟です!」
(ストーリー)
春節のパーティで火青と子石が喧嘩をした。そこに竹連幇の大家姐、張金栄が仲裁に入る。また、グループのトカレフ密輸ルートを狙っているものがおり、警戒を強めていた。この密輸ルートの調査も含め、ゴルゴに仕事を依頼した。
子石が射殺された。その後、ゴルゴが楊家の家長と台湾で打ち合わせをしているときに張がやってきて、子石の殺害に火青が関わっているという。そして火青を監視するように伝えた。また、張はゴルゴと会食をした。そのときに張が福州に送りこんだ殺し屋が抹殺されたことが報告され、ゴルゴはそれを聞いて、スペツナズから訓練を受けた中国の特殊兵。台湾では張に手出しをできないために福州に張をおびき寄せる作戦だといった。当然、張はゴルゴに特殊兵の抹殺を依頼する。
中国では各軍閥に属する兵器工場が競って武器輸出をしており、張のルートを横取りして、市場を独り占めしようと計っている。中国共産党の中枢に食い込んでいる客家幇の一つであると考えた。
中国の特殊兵の下に、張が福州に現れたとの報告が入った。そこで、張の抹殺を命じられた。張はゴルゴに命じられるままホテルにとどまっていた。ゴルゴはアジトに乗り込み、全員を抹殺。最後のナイフの使い手は、スコップで殺害した。そして火青も別の場所で殺害した。頼りになる男だと張は思った。
(解説)
「黒い星」の一幕である。裏の組織は、表立って動けない分、秘密を守らなければならないこともあり、組織内での信頼関係が強固でなければならない。これは組織の張の台詞であるが、別に裏の組織に限らず、強固な信頼関係は表の組織にも必要なのではないか。終身雇用と年功序列という仕組みは、組織に対する忠誠心を育むには良い仕組みの一つであった。そのデメリットにはあったが、忠誠心という最大のメリットを失うことになった。
今後、企業経営においては、経営者やビジネスそのものの魅力で、忠誠心を強固にしていくしかない。そのキーワードになるのが「義」であろう。義によって、血のつながりと同等な関係を結ぶ。理想論ではあるが、得るものは大きい。そして組織の末端までは厳しいから、せめて会社のコア人材だけでも、意識して作り上げていこう。
[教訓]
〇先行き不透明なこれからの時代にこそ、組織を強固にするのは「義」である。
〇ベクトルを同じくする者だけがその組織に集えばいい。