「責任を二人でとってもらいます。裁定委員が、そのバッグの中身を調べたいと言ってます!・・・タタミ―ル卿。たった今、関係執務委員と私の署名であなた方二人を伝統ある英国競馬界から永久追放します!」
(ストーリー)
イギリスのニューマーケット競馬場でダービーが行われる。タタミ―ル卿のモーゼスワイルの最大のライバルは、エリザベス女王が手塩にかけて育て上げた馬のハーディリーフであった。
20年前、八百長が仕掛けられ、タタミ―ル卿の馬が骨折し、二度とレースに出られなくなったという。その時に王室所有馬も転倒しており、タタミ―ル卿が王室を逆恨みし、今度は今回のダービーで王室の馬に復讐をしようと考えた。そこでタタミ―ル卿が獣医と結託して、ハーディリーフに薬物投与を行おうとしている。そのためゴルゴに依頼したというわけである。
走る前にハーディリーフ号が落鉄。このすきに獣医が近づき、ハーディリーフに薬物を投与した。この薬を投与すると、骨折しやすくなる。あくまでも出走中の事故に見せかけるつもりだった。
ダービーが始まり、ハーディリーフとモーゼスワイルが一、二位を争う。最後の直線コースで、ゴルゴは全力疾走している馬の、薬物を投与した箇所に薬を打ち込んで中和させたのだ。
伝統あるエプソム・ダービーにおいて、王室馬のハーディリーフが圧勝した。
(解説)
「汚れた重賞」の一幕である。ハーディリーフに薬物投与したはずが、レコードで買ってしまった。タタミ―ル卿は激怒し、場内獣医のグレストに失敗した説明を求めた。そこにエリザベス女王がやってきて、その場で調査し、処罰した。
裁定委員や関係執務委員から処罰を言い渡さず、競馬界からの永久追放という最も重い罪は、組織の長が処罰を加え、宣告したわけだ。
会社組織によっても、法務部や総務部のお偉いさんで大抵処分が済むことも多いが、重大な処罰のときは、社長自ら処罰を言い渡す、そういったことを面倒がらないことが重要である。中間管理職が伝えるよりも社長自らが伝えた方が、組織に締まりが生まれる。
[教訓]
〇最も重い処罰は、社長自らが伝えよ。組織が締まる。