「その男は、長年にわたって、ある機密保持のために活動してきた・・・それは評価されるべきことだ・・・だがもう時代は変わった!いつまでも過去のあの事件のために、血を流すわけにはいかないのだ!」
「ある機密とか、あの事件とかあいまいな説明は、やめろ・・・」
(ストーリー)
グレタ・アントヌッティのところに花束が届いた。「親愛なるグレタへ、トーマス・ブラウンに祝福を」、全く覚えがない。
暗殺されたケネディ大統領の真相が明らかになってしまう事を恐れ、関係者が次々と変死している。また、リチャード・マクガバンがケネディの死の真相を知る関係者の暗殺任務に取り掛かっており、これを最後に消えてもらいたいとCIA(立場が複数ある男)は考えていた。そして、それをゴルゴに依頼した。
マクガバンは、ケネディの検死にかかわった医師、トーマス・ブラウンを暗殺した。グレタは花束のメッセージの男が死んだことに驚き、次は自分の番だと恐れた。
グレタはホテルに帰ってきて、それをゴルゴが観察する。ゴルゴはビルの屋上から、グレタの部屋を捕えていた。実は、同じホテルに、殺害対象の同姓同名のグレタが泊まっていた。殺害対象のグレタが、間違って殺されそうになっているグレタの部屋に赴いた。そして、グレタに銃を向けたその瞬間、殺害対象のグレタがゴルゴに狙撃される。
グレタがゴルゴに殺されたことを知ったマクガバンは急いでヘリで脱出を図ったが、ゴルゴに射殺された。これでケネディの真相をばらすものは誰もいなくなった。
(解説)
「ノー・リレーション」の一幕である。CIAなのか、国務省なのか、色々な肩書を持つ男がゴルゴにマクガバンの殺害を依頼したときに、ケネディの事件をあの事件だとか、あの機密だとか言い出すものだから、ゴルゴがはっきりと言えと言ったときの会話だ。
自分で他人に話すときに、自分は他人が知っていることを前提で話してしまう人がいる。いきなり名字を言われても、その人に会ったことないし、その話は知らないんですが、と言って始めて、その人物とは〇〇で、この話は□□でと話し出す。
最初から、誰々さんが、何々の件は、と固有名詞を出してからはじめて、あの方は、その方は、と話す癖を付けよう。
[教訓]
〇あいまいに説明されても伝わらない。明確に伝えよ。相手は全く知らないことを前提として相手に話せ。いくらあなたの頭の中にあるといっても、他人は本当に知らないんだから。