「“To The Last Shirt”・・・スイスの個人銀行は最後のシャツ一枚に至るまで顧客に債務責任を負う・・・まさにあなたのためにあるような、言葉ですね!・・・」
「・・・パートナーは文字通り共同経営者だが、実質的には、ハイツ一族の血を受け継ぐこの私が、全てを動かしているのだ!だからこそハイツ銀行は、」
「あなたの代で飛躍的に発展した・・・」
(ストーリー)
アウザー・ハイツ銀行の頭取ハイツは、新聞でシュリット財閥のランパード会長がアルプスで事故死したというニュースを見た。
プライベートバンクの共同責任者たちは、シュリット財閥からの資産受け入れを拒否した。しかしハイツは自分が責任を負うことを条件に受け入れることとし、シュリット財閥の後継者ハインリッヒと約束を交わす。シュリット財閥の裏側には何かあると考え、ハイツの僕であるチャチャイは調査を行った。
その調査の中で、ランパードは、第二次世界大戦中に自らを救ってくれた友であることが判明。そしてそのランパードを暗殺したのがゴルゴであることもわかった。ハイツはゴルゴを呼び出し、ゴルゴの金庫にゴルゴを閉じ込め、ハイツは拳銃で自害。友を奪った暗殺者としてゴルゴをこの世から消そうと考えた。ゴルゴは金塊の中に爆薬を隠して置き、その金庫の壁を破壊して脱出した。
(解説)
「最後の顧客」の一幕である。プライベートバンクの共同経営者たちが、シュリット財閥の資産の受け入れを拒否した。マネーロンダリングの疑いがあるためである。そこで、ハイツはリスクを全部自分がかぶる、最後のシャツ一枚までも、と言って、自らのリスクで資産を受け入れることにした。会社の合議制というのは、優れたシステムではあるが、意思決定をする際に、多数決を取り、その決定に従ったら、ビジネスチャンスを失うかもしれない。
会社でも取締役会では、完全に多数決にはなっておらず、代表取締役の独断で決定することが多いだろう。民主主義は、優れた制度であるが、機動的にはできていない。その点、会社制度は代表取締役がその株の大半を保有していれば、自分の勝手に物事が決められる。それが暴走につながることもあるが、スピード経営を促進する効果もある。小さなうちは代表取締役に権限を集めて置き、もちろんリスクもであるが、大きくなってから、権限移譲をして言った方が、企業の効率的なマネジメントに資するのである。
[教訓]
〇小さな会社のうちは、代表取締役に権限を集中させ、大きくなったら、能力やキャパシティの育成に合わせて徐々に権限を委譲していった方が、効率的なマネジメントとなるであろう。