「もうかなりよぼついていると俺は聞いたぜ!」
「マックスはいつだって大物さ!あいつはプロなんだ!ホールダップをやるために生まれてきたような男なんだ!」
(ストーリー)
マックス・ボイドが出所して、あるシカゴのバーを訪れた。昔行きつけのバーだったが、名前が変わっていた。バーテンダーに仲間がいて、出所してきたらフレディが会いたいと伝えてくれという。
マックスがある道を歩いていたらチンピラに絡まれそうになったが、仮釈放中では暴力も起こせないとその場は絶えた。その後、そのチンピラが爆発に巻き込まれ、フレディの仕業と気づいた。
フレディと再会し、銀行強盗の計画を聞く。最初は成功報酬の額が少なかったが、アマチュアと同じ金額にプライドが許さなかった。それを聞き、フレディはマックスの取り分を増やした。年をとってもマックスは強かったのだ。
(解説)
「素晴らしきシカゴ(前編)」の一幕である。銀行強盗の一味がいて、マックスを知らない若造が言った台詞と、フレディの返答だ。上記のホールダップとは、Hold Up、つまり手を挙げろという銀行強盗にお決まりの言葉だ。
もちろん犯罪はよくないが、このことに関してはプロ、このために生まれてきたような人間だ、と言われるくらいに「この」という仕事を持たなければならない。何でもできます、とは何もできないこと、とは言われるが、器用貧乏は、これというものを持たない。何でもできてしまうという器用さが、かえって仇になるということだ。これしかできないからこれだけをやり続けてきた、という方が価値がある。
どうしても時間をかけたことには敵わない。ある程度の才能があって、それに時間を費やせば無敵だ。大抵子供のうちに自分の才能に気づいて、その世界に入って時間をかけた者が、成功者として名を残している。自分の才能に気づかずに惰性で生きている者は、成功者になれることはない。まあ、そこそこ生きていけるだけにすぎない。それでは他人との差別化が図れない。一つの事をやるのはリスクかもしれないが、ハイリスク・ハイリターンである。その一つの事をできることが、強力なブランドを生むこともまた確かである。
[教訓]
〇自分は「これ」だと持て。そして「これ」に時間を費やせ、「これ」の成功者になれる。それが人生に価値があるというものだ。