「ここで習ったこと、私が教えたことを、鵜呑みにするなということだ。・・・それよりも、うまいやり方が見つかれば、それを使えばいい。規則を守るだけが能じゃない。」
(ストーリー)
手りゅう弾の暴発事故で難を逃れたゴルゴが、養成所の人間でないことがバレた。
さて、ニーナは本物のアンジェラとすり替わるために、フィンランドへ向かった。そして、KGBの工作員が本物のアンジェラを殺害し、ニーナは完全に入れ替わった。
そのフィンランドで、ゴルゴを見かけた。その頃、ニーナはすでにゴルゴがスパイであることを知らされていたため、独自にゴルゴに関する調査を開始した。既にKGBの工作員であるという自覚を持っていたのだ。
しかし、ゴルゴを付けていたことが、ゴルゴの知ることになり、簡単に射殺されてしまった。尾行途中で弾倉を調べたため、その筋の者とゴルゴに知られてしまったのである。
せっかくスパイ養成所で訓練をして、これからアメリカで活躍しようという前に、ゴルゴを狙ったことで殺害されてしまったということである。ニーナの最後の言葉が「尾行術が悪かったの?」「尾行中に弾倉を確認しないことだ」。ゴルゴにおけるスパイ指南の大切なレクチャーであるが、死にゆく者に役に立つことはない。
(解説)
「SHADOW HUNTER」の一幕である。ニーナが養成所を卒業するときに教官から言われた台詞。スパイ養成でどのようなことを教わるのかはよくわからないが、銃を撃つ前に弾倉を確認するくらいは教えているかもしれない。そのため、それは教科書や規則を守った行動であったに違いない。しかし、教科書と実践が違うというのはよくある話だ。むしろ、臨機応変に行動する場合に、基礎的知識が邪魔になることがある。特に暗記を前提とする教育になれてしまうと、アウトプットよりもインプットの方が重要になる。もちろん暗記をしてペーパーテストでは紙にアウトプットするのだが、応用力を効かせることと、紙に書くために覚えることではあまりに違いすぎる。覚えることが全てになってしまうと応用力に乏しい人間になってしまう。そういう人たちが社会の上層部を占めているのだから、そのような社会がいい社会になるはずがない。暗記と反復運動だけなら、AIには敵わないからね。今の教育制度だったら、AIが国を運営した方がいいんじゃないの。スカイネットの世界? くわばらくわばら・・・。
[教訓]
〇覚えることに時間を使うな。
〇欲するアウトプットに必要なインプットだけをするという未来型に頭をいち早く切り替えろ。今の教育制度に毒されていては、ダメになる時期を早めるだけだ。