「カジノで勝つ方法を知ってるかね?」
「いえ・・・」
「このカジノごと買っちまうことさ!!」
「でも、オーナーになってしまったら、賭ける面白さがないでしょう・・・」
(ストーリー)
映画の発表記者会見が行われ、プロデューサーのスコットが制作費50億円とぶちまけた。まず石油成金のブリノ・デリーニに会いに行き、30億円出してくれることになった。次に州知事のコナリーに600万ドル。その条件が、コナリーの名前をプロットすることと、ゴルゴにつないでくれることであった。コナリーは選挙相手ギム・グラハムの弁護士を殺害してもらいたいと思っていた。
スコットが金策のために、再度石油王のデリーニに会いに行ったが、面会中デリーニが射殺された。予定した資金が獲得できずに困り果て、再度コナリーにお願いに行った。ところがどうやらデリーニを殺害させたのはコナリーであったたことをスコットが知り、ゴルゴを使ってデローニを殺害したという噂をマスコミに流すと、スコットはコナリーを脅した。そのため、コナリーはゴルゴに依頼し、スコットを射殺させた。
(解説)
「ハリウッドギャンブル」の一幕である。映画プロデューサーであるスコットが最初にスポンサーになってくれたのが、石油成金のデリーニだった。そのデリーニが冗談でスコットに話した台詞だが、冗談ではなく、ビジネスの本質である。
「カジノに勝つ方法は、カジノを買うこと」
要するに、オーナーになるということ、胴元になるということだ。これによって、カジノに勝つか負けるかに関するリスクを完全に消去できる。但し、ギャンブルリスクは消えるが、カジノ経営というビジネスリスクが新たに発生する。資本主義社会とは、どこまで言ってもどこかに必ずリスクが存在するということでもある。
また、オーナーになってしまったら、賭ける楽しみもないというのも当たっている。当たることがわかるビジネスはそれはそれで面白いが、スリルという楽しみをなくす。人間どこまで言っても、刺激を欲しがる生き物だ。常に、リスクという風を楽しみながら、大海原を目標の島に向かって、進みたいものだ。
[教訓]
〇ギャンブルに勝つ方法は、胴元になること。
〇ビジネスをやっているうちはリスクからは逃れられない。