「あたしはFALNP(プエルトリコ国家開放武装団)を裏切るんだから・・・命がけなんだ!!」
「裏切りにはならないと思うがね・・・そう!ゴメスはキューバ情報部員だ。今やFALNPのプエルトリコ人を抑えようとしている!・・・彼はおそらくKGBにも属している!むしろゴメスはFALNPを過激なテロ集団に仕立てようとしているのだ!」
「いいんだよっ大義名分なんてあたしにゃ必要ないんだよ!」
(ストーリー)
プエルトリコ人のアンジェラは、プエルトリコ国家開放武装団を裏切るとFBIの2名に告げた。そこにアンジェラの仲間のゴメスがやってきて、FBI相手に手榴弾を投げつけた。ゴメスは逃げる時にトラックにひかれた。アンジェラは煙と人ごみの中を逃げる。
逃げた先の波止場にゴルゴがいた。女はゴルゴに銃を向けるが、ゴルゴに銃をはじかれた。女はゴルゴとホテルに向かった。
アンジェラは酒を買いに外に出たときに、FBIに目撃され、部屋に戻った後で、ゴルゴにいる前で連行された。
ゴルゴは裁判で証人台に上がった。そして、女とずっといたと証言した。それでアンジェラは無罪放免となった。
ある日、事業家フォークナーが自室で射殺されていた。狙撃現場に、ゴルゴはここにいたはずだと刑事は考えた。しかしゴルゴがかばったプエルトリコの女と一緒にいたと、女も証言するだろう。つまり、ゴルゴがその女と一緒にいたという証言は、女のためではなく、ゴルゴが狙撃現場にいることを隠すための証言だったと思った。
(解説)
「スパニッシュ・ハーレム」の一幕である。アンジェラが大義名分がないというのは嘘だったわけだが、相手を最も油断させることができるワードである。大抵、自分が大きなことを成し遂げたいと思っている人間は、野心がある。大義名分ともいえる。だからこそ、大きなことができる、それを達成するまで、苦しくても頑張れたりもする。しかも大義名分は、その人の行動原理であるから、一本芯が通ると、ずれたことはしない。大義名分がないと、日和見になり、どっちつかずになる。大義名分があれば、敵味方がはっきりする。ないとはっきりしない。だが、場合によっては今は敵でも味方にできるともいえる。逆に、今は味方でも敵になるともいえる。疑いだしたらキリがないが、相手の懐に入り込むためには、そんなだ恐れたこと考えてませんよ、というと相手を油断させやすい。
[教訓]
〇相手の懐に入り込むためには、野心のないふりでもしておけ。
〇能ある鷹は爪を隠す。出る杭は打たれるだ。