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システムは試行錯誤があって完成する

「技術だけではあるまい!政治も経済も果ては文化まで、根こそぎ登用して、今日の経済発展を築いてきたじゃないか!!しかも能面のように無言のまま・・・議会制民主主義、株式市場もまたしかり!何から何まで我がアメリカの真似だっ!!」
「ある面では、その通りです・・・だが、あなたたちも、我が国の模倣をしているではありませんか。自動車の品質管理や、低コストのノウハウ・・・つまりあらゆるシステムとは試行錯誤によって、熟成されていく・・・」

(ストーリー)
アメリカのエイガー博士の開発した主翼設計に、日本側の技術が抵触している。つまり特許権侵害の疑いがある。アメリカの航空機メーカーの社長であるヘンリー・ブラッドは弁護士を呼んだが、実は同種の研究が日本で戦前になされていることが分かった。日本の寺谷平吉という技術者の血球である。マクベス弁護士は寺谷に会いに行った。そしてマクベスは寺谷にその研究を譲ってくれと依頼。しかし寺谷が渋ったために、寺谷は毒物を投与されて殺されてしまった。

寺谷の旧友で日本の航空機部品メーカーの中尾は、経済産業省に出向き、寺谷の研究を伝えるも、確固たる証拠ががなければ、支援できないという。中尾は寺谷の無念を払うべく、調査を行い、寺谷が残した飛行機の模型が置いてある場所を発見した。中尾はブラッドに、この翼は寺谷が考え出したものだと伝えた。ブラッドは寺谷の残した模型を破壊する。

中尾はゴルゴにブラッドの殺害を依頼。ビジネス機初飛行でブラッドが操縦桿を握った飛行機に、鳥をエンジンに突っ込ませることで操縦不能に追い込み、飛行機は離陸できずに倉庫に突っ込んで爆発した。

(解説)
「ジャパン・オリジナル」の一幕である。日米共同開発という形で飛行機を開発していたが、翼の発明がどちらが先かで、問題になった。アメリカの航空機メーカーである会社の社長と日本のメーカーの社長で、契約延期の際に、お互いが罵り合ったときの会話である。

確かに、日本は物まねが得意な民族と言われる。どちらかというと開発よりも改良の方が得意と評価されている。しかしそうは言っても、日本で色々改良したシステムを、エズラ・ヴォーゲル氏のジャパン・アズ・ナンバーワンをきっかけに、アメリカでは逆襲を図った。どちらが先の議論よりも、強豪同士が切磋琢磨しながら、技術やシステムを進展させていくことに、意味があるのだと感じる。

ビジネスには試行錯誤がつきものであり、これをなくして先には進まない。進歩もなければ発展もしない。最初から完璧なものは生まれないから、とにかく開発して、世に出して、改良して顧客ニーズに合致した製品を作り出していくというプロセス重視の開発を行うべきだろう。

[教訓]
〇完全主義よりもプロセス重視で、先を行け。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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