「クルー全員に、もう一度自分たちの役割を確認させておけ!そして・・・出発だ!」
(ストーリー)
1993年にシンガポールにおいて、中国と台湾の民間交流団体のトップ会談が行われた。そしてそのこのホテルのある部屋にゴルゴが呼ばれた。この台中関係改善に、邪魔になる存在がおり、許大秀という日本在住の台湾人、台湾の守旧派の殺害を依頼した。
標的は東京の江戸川区の高層マンションの最上階30階に住んでいる。また、ほとんど外出はしないという。ゴルゴは総武線の電車の中からの狙撃を考えた。
JR東日本に映画撮影の許可を申請した。快速に登場し、グリーン車の空席を終点まで全部購入した。そのグリーン車には数名の部外者が乗っていたため、映画の撮影をする旨を伝え、空砲を一段使用することも伝えた。
許大秀の元に東洋広告社の長が訪れた。許が台湾で経営しているパソコンメーカーの宣伝企画として、飛行船を飛ばすため、許に直接飛行船を見せた。長は許にベランダに出るように勧めた。許がベランダに出ているときにゴルゴは総武線のグリーン車内から狙撃。「撮影は終了した」と報告。
(解説)
「呉越同舟」の一幕である。15時13分成田空港発、16時13分東京駅着。江戸川区高層マンション通過の際に、広告代理店の許宅への訪問と、広告飛行船を飛ばすこと、列車内での撮影、及びゴルゴの狙撃。加えてゴルゴは錦糸町で列車を降り、東京駅で初動調査が開始され、羽田空港から台湾への脱出と、分刻みのスケジュールである。狙撃自体は秒刻みといってもよかったであろう。多くのスタッフが関われば、通常であれば、リハーサルも必要であろうが、狙撃にリハーサルは難しい。一発本番であれば、事前準備、スタッフの役割の確認、情報共有等が非常に重要なカギを握る。特に暗殺は、犯罪であるから脱出経路の確保も重要となる。
ビジネスでも一発本番なことはあるだろう。仮にリハーサルが可能であったとしても、本番前には個人の役割確認、自分は全体の中で何をやるのかということを徹底させる必要がある。それでなければ分刻みのスケジュールはこなせない。スケジュール表の作成も大きな役割を持っている。そして、「もう一度」の確認、それをやっていないと、中には確認しない奴もいるから、上司はしつこく徹底的に言葉にした方がいい。そして確認する箇所の指チェックも忘れず行うことだ。
[教訓]
〇プロジェクトにおいては、本人の役割確認を徹底させよ。さらに「もう一度」の確認作業がリスクを減らす。