「殴られる前に殴り、撃たれる前に撃つ・・・それが、俺の流儀だ!これはたとえ女王陛下の命令でも変えるわけにはいかない!」
(ストーリー)
ロンドンにおいて、娼婦ダイアナ・デイトンがお客に呼ばれて部屋に向かうと、お客が殺されているのを発見した。ロンドン警視庁殺人課のマクレガーに事情聴取をされた。
殺された男はKGBの高級局員グラノビッチ。西側で利用できる可能性があるため、MI5は国外追放者リストから除いておいたが、危険を察知したソ連側が口封じをしたと睨んでいた。ゴルバチョフ書記長がKGB改革を進めるにあたり、グラノビッチはアンドロポフ元書記長側であったためと思われる。
警視庁が調査するにあたり、写真にゴルゴが映っており、グラノビッチを射殺したのはゴルゴであると考え、ゴルゴを拘束した。しかし、グラノビッチを消したのは、KGBのクリューチであった。次にKGBの上役から、ミカエル・ベルサコフ駐英ソ連大使館付一等武官でKGBの一員。彼もまたイギリス亡命の意思があった。
警視庁は何が何でもゴルゴの犯罪の証拠を見つけようと躍起になっていた。拘束できる時間は限られ、もう少し交流を延長したい。そしてマクレガーは、娼婦デイトンに、ゴルゴを殺人現場近くで見ていたと証言してくれと依頼した。しかし当日デイトンはそれを拒絶した。
MI5はゴルゴを開放するが、ずっと監視していた。ゴルゴがホテルからでないのに、監視中のマクレガーのところに、ベルサコフが殺害されていたという情報が入ってくる。間違った犯人を追っていたのだ。
ゴルゴは空港で、クリューチ、娼婦ダイアナに会い、射殺した。
(解説)
「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」の一幕である。ロンドン警視庁のマクレガーが部下と共に、ゴルゴを捜査中に車の中で語った台詞だ。自分の流儀やこだわりは変えなくていいである。もちろんそれを守り通すことで、自分が生きにくくなることはある。その流儀やこだわりが、他人に危害を加えるものであっては何らかの制裁を受けるため、限度はある。
一般人が殴られる前に殴り、撃たれる前に撃ったら、それこそ暴行罪や傷害罪、下手すら殺人罪になるから、このような流儀は困るが、お客様や上司のニーズを先回りして捕え、対処する、例えば古くは木下藤吉郎が、草履を自分の懐で温めて、信長に気を使うという逸話は、非常に望ましいことと言える。相手の動きを予測して前持って動くことは、その予測が外れない限りは、相手を悦ばせる。
[教訓]
〇お客様、上司等、相手の動きを予測して行動せよ。