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技術の発展とは何か

「私は、心臓を特別なものであると考える事には反対です。歯が抜けたら入れ歯をする・・・本質的にはそれと同じだと思っています。でないと、心臓移植の手術の技術の進歩は望めません!」

(ストーリー)
ソ連のスパイで、アメリカ生まれアメリカ育ちのスリーパー、チェンバースが心臓移植を必要としていた。心臓移植を誰に行うか、寄付をたくさん出したからというわけにはいかない。当然民族も関係がない。心臓の提供者が現れたら、その同じ血液型で待っている人たちをコンピューターでリストアップし、最終的にはスミス所長とマシューズ外科医で決定することになっていた。

所長とマシューズ外科医の間でも意見が衝突する。次の心臓移植はチェンバースにという外科医、今回は所長としての権限を行使するということで、チェンバースの心臓はあとひと月持つが、グレイ夫人の心臓は今にも止まりそうであるという。

KGBが心臓移植手術を間近に控えていたグレイ夫人と窒息死させ、テキサス心臓研究所のスミス署長をガス中毒死(結果は焼死)させた。また、心臓との相性で決めたいと考えるマシューズではあるが、委員会で多数決を取ると、相性ではなくチェンバースにするという意見が多数となった。CIAはスリーパーであるチェンバースに移植させるわけにはいかないと、マシューズを脅迫。しかもその委員会はKGBにコントロールされているという。結果、マシューズは執刀ミスでチェンバースを死なせてしまう。そしてCIAは脅迫されて心臓移植を失敗したことをマシューズが口外したときに、ゴルゴに殺害することを依頼。教会で告解したときに、ゴルゴはマシューズを射殺した。

(解説)
「神の領域」の一幕である。心臓移植の順番を決めるというだけでも、誰を生かし、誰を殺すのかを選択することを意味する。そして心臓移植の結果、それが成功しないこともありうる。非常に難しい選択である。外科医のマシューズは入れ歯と同じだという。人同士の移植ということがなくなり、人工心臓の技術力が向上すれば、外科医が悩むことも少なくなるだろう。人が悩まなくて済むこと、それが科学技術の発展というものだ。人が悩むことが多くなったら、それは技術の発展と言えるだろうか。

通信技術が発達して、便利になったことは確かだ。しかしその反面、SNSが人の時間を奪う。人の意識の問題、SNSだって使わなきゃいいという人もいる。やめた人もいる。しかし多くの人はやめられないでいる。今どきスマホを持たずに就職する人もいるけれども、スマホを持つ人間、持たない人間の採用率を考えると、前者が多いのではないか。それ故、実際は通信技術を人並みに使えることが採用の条件になっていることもないとは言い切れないだろう。

何でも便利になるからといって、時計の針を進めることが、実は終末時計を速めている可能性もあるということを知った上で、我々はビジネスをしていかなければならないのではないだろうか。

[教訓]
〇便利だからと言って技術の進歩とは言えない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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