「ところで・・・あんたは、このジャマイカに何の目的でやってきたのだ?ただの観光とは思えないが・・・?」
「・・・おれはあんたたちのすることに興味はない・・・そして、俺のことにも興味を持たれたくはない・・・」
(ストーリー)
ジャマイカの黒人が、白人たちの支配下にあるとして、暴動を起こした。その中である黒人が負傷し、仲間がゴルゴの車に乗ってきて、警察から逃げるよう指示した。その黒人たち(デモの扇動者・ジョニイ・クーガー一味)は、あるホテルへ逃げ込み、ゴルゴも巻き込まれた。
そのホテルに白人の医者がいて、黒人のけが人を治療する羽目になったが、ホテルのロビーに居合わせた白人が銃で、黒人を治療すると撃つと脅した。ゴルゴはその白人を撃退した。黒人はゴルゴに礼を言うが「あんたたちのためにやったことじゃない」と告げる。
その後、白人の医者は黒人を助けられずに、黒人の同僚が医者に発砲しようとしたところ、ゴルゴは黒人たちを次々と射殺する。
白人の医者夫婦が波止場である人物と接触した。実はその白人医者はスパイで機密情報を受け渡そうとし、その現場を見届けた後で、その現場に居合わせた者を全員射殺した。ホテルで白人医者を助けたのは、その白人医者がその後に接触する現場を押さえたかったからである。
(解説)
「カリブ海の死影」の一幕である。ジョニイ・クーガーのメンバーを治療する医者を銃で発砲しようとした白人を撃退したため、すっかり黒人たちはゴルゴを味方だと思っていたが、自分の仕事の遂行のために、白人の医者を助けただけにすぎなかった。自分の仕事の遂行を邪魔するものがゴルゴにとっては敵なのだ。
ビジネスにおいても、組織があれば派閥ができる。その都度、どちらの味方なんだと言われることもあるが、自分は誰の味方かでなく、志を共にする者が味方であり、それは時によって変わる。むしろ自分自身は変わらないが、相手の志が変われば変わる。特に相手は、お金が稼げるかどうかだけしか考えていないから、志は金、これでは味方になりようがない。しかし、自分の志を達成するためには、その志と同じ方向を向いていれば、いくら金の亡者だと言っても、味方になることはある。まったくゴルゴの行動は理解できるのである。
[教訓]
〇共に行動すべきは、志が同じ同志とである。一緒に稼ごうという金の亡者など、同志などではない。漢字をみればわかる同志とは志を同じくするものである。一緒に稼ごうという金の亡者は同金としか言いようがない。