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将来の利益を生む本当の富の蓄え方

聖書に以下の事を学ぶ。

「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また盗人が忍び込んで盗み出したりする。富は天に積みなさい。そこでは虫が食うことも、さび付くこともなく、また盗人が忍び込むことも盗み出すこともない、あなたの富のある所に、あなたの心もあるのだ。」

お金を蓄えても、資産を増やしても、自己満足でしかない。それを天国までもっていけるわけでもなく、子孫に残したところで本当に安心できるぐらいの富を残せるかというと、我々一般人の稼ぎではたかが知れている。

資産という形よりも、自分がこの世に生きていた証を残したいと思う。身近な人の死を体験すると、その人の死とは、肉体的に死ぬのが当然だが、ある意味ではその人のことを知っている人が全員死んだときが本当の死なのではないかと思う。

教科書に載るような歴史的人物は、確かに死んでいるが、少なからず生きていた証は絶対的に残る。普通の人は教科書に載るほどの実績を上げることはないだろうから、自分を知っている人がこの世からいなくなった時が本当の終わりなのだろう。

そのように考えると、いかに自分が生きていたかの証というものは、多くの人に長い期間、影響を与えたことではないだろうか。あの人は本当にいい人だったよね。とてもお世話になったと。寄付という形でもいいだろうし、仕事を良く発注してくれた人、思った以上にお金をたくさん払ってくれた人、でもいいと思う。

会社や自分の貸借対照表に、有形固定資産という形で残しておいても、資産が陳腐化してしまっては意味がないし、現預金という形で残しておいても、いずれ、雲散霧消する。むしろ、貸借対照表には乗らない、無形資産という形で残しておくのが良いのではないか。我々にとって無形資産というものは、会社の経営理念、その人の価値観、人同志のネットワーク、信頼関係だ。

人とのつながりは真の財産である。自分の懐にキャッシュを貯めこんでおいたのでは、そのつながりは継続しない。人脈は脈を打つから人脈を呼ばれる。それは日頃から、時間や手間をかけたコミュニケーションだったり、儲けたら惜しげもなく分配する、それによって脈を打つ。どちらかというと天に富を積むよりも、地上(にいる人)にばらまけというのが正解かもしれない。ばらまいてさえしまえば、泥棒に盗まれることもない。

誰かを稼がせる人は、またどこかで誰かから稼がせてもらえるものだ。金は天下の回り物とはよく言ったもの。もちろん無駄遣いはすべきではないが。

ばらまいた先では、あなたに対する感謝の念があるから、それはいずれ富になりうる。富のある所に心もあると言える。天に富とは、仕事をしてもらって、周囲に施す(ばらまく)ことだ。あるいはお客に還元することだ。預金通帳にお金を貯めておくことではない。しかも金持ちは天国に行けないとイエス様も仰っておられるではないか。

[教訓]

〇会社の利益よりも、顧客とのネットワークと言う無形資産を大切にせよ。

〇顧客は将来の会社の利益を生む。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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