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密なコミュニケーションの重要性

織田信長に学ぶ、

「愚かな間違いを犯したら、たとえ生きて帰ってきてもワシの目の前に姿を見せるな。」

(解説)

戦国時代で愚かな間違いを犯したら、大抵死ぬか、あるいは命からがら逃げかえってくるかのどちらかだろう。だからこそ、部下には「愚かな間違いを犯すな」とくぎを刺している。

この文言を解釈するに、信長は間違いを犯すことは認めていることになる。人間だもの、間違いくらいはあるよ。しかし「愚かな」間違いがいけないのだ。さて、「愚かな」とはどういうことだろうか。思うに武士としての、将としての心得であったり、信長の真意に反することはするなということだろう。後は信長の真意に反して、勝手に判断をするなということでもある。

愚かな間違いをするのは、別に部下だけではない。むしろ中間管理職である武将だけではないと言った方が良いだろう。雑兵は判断を認められていない。上司が突撃と言ったら突撃なのだ。戦国時代においては、討ち死にせよといったら、生きているという選択肢はない。それゆえ判断をすることができるのは、各隊の長や将、以外であれば、やはり組織のリーダーということになる。これは今の会社で言うところの社長という役職だ。

しかし上手くいかない会社の社長は「愚かな間違い」を頻繁にする。部下からすると、失敗しているから愚かな間違いにしか見えないだけかもしれない。勝てば官軍負ければ賊軍ともいうから、出た結果に対して批評するのはよくない。

野球の監督で、継投が上手くいき、勝利すれば称賛され、継投が失敗して負ければ、なんであいつに変えたんだ。もう少し、先発を引っ張らなければだめだ、とファンから文句を言われる。結果に対してとやかく言うのは、ド素人だから言えることなのだ。現場を預かって結果を出さなければならない監督は、上手く言って当たり前、失敗したら無能呼ばわされる可哀そうな人ではあるが、そういったことも含めて、プロ野球ファンの一般人は、ストレス解消をしているのだから、その批判にさらされるのも、良しとして欲しいものだ。

野球はひいきチームが負けてもどうということはないが、会社がコケれば、そこでの稼ぎで生活しなければならない従業員はやっていられない。こちらは死活問題だ。給料が払われないことで、住宅ローンの返済、家賃の支払い、そもそもの食費等、笑い話では済まされない。従業員としては、愚かな間違いを起こす傾向のある経営者からは、サッサと縁を切らなければならない。これだけは言っておこう。バカは死んでも治らない。社長が考え方を変えるのは相当若いうちだけだ。ある程度年を取ってくると、自分のしたことに反省などしないと思った方がいい。関わるだけ時間の無駄だ。

逆に部下が「愚かな間違い」をするときがあるが、間違いをして会社に損害を与えても、損害を与えた人が多少減給をせざるを得ないけれども、それだけで損失がカバーできるほど甘くはない。会社全体が損失を背負わなければならない。

会社で借金をして、資金繰りを調える必要も出てくるかもしれない。それゆえ、部下の「愚かな間違い」を避けるためにも、コミュニケーションを密にとり、部下の悩みは早めに拾ってあげる、相談しやすい上司でありたいものだ。自分の理念を会社全体で共有したい。また、信賞必罰も必要だ。お手柄には給料で報い、失敗したらそれも給料を下げることで対処する。そしてその部下の役職に応じた心構えを持たせるように諭さなければならない。

[教訓]

〇従業員の立場としては、社長が愚かな間違いをする傾向にあったら、なるべく早くその会社をお暇し、転職活動を開始した方がいい。バカは死んでも治らない。

〇社長の立場として、部下の愚かな間違いを防ぐためには、コミュニケーションを取る。信賞必罰を行う。役職に応じた心構えを持たせること。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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