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チーム作りのキモは役割分担にあり

「君は内にいて人を作り、僕は外にありて船を得るべし。」

(解説)
河田小龍は、幼少のころより島本蘭渓に画を学び、16歳のころ藩儒学者岡本寧浦の門下に入る。1844年、吉田東洋に従い京に遊学、京狩野家九代目の狩野永岳に師事する。1848年の二条城襖絵修復の際には師とともに従事。1852年、アメリカより帰国した漁師・中浜万次郎(ジョン万次郎)の取り調べに当たった。万次郎から英語を学んだ。また英語だけでなく、選挙によって国家元首を選ぶ等、アメリカが鎖国をしていた日本の現状とあまりにも異なることに衝撃を受け、「『貿易』によって異国に追いつく事」が日本のとるべき道だと龍馬に説いた。上記はその時の台詞だ。

これは人のやるべきこと、職務分担のことを言っている。役割分担とは組織において、その生産性向上のために重要なことである。人はサボるのが本分だから、自分の責任範囲以外の事はしない。あるいは、ある人の責任範囲なのだが、当人が気づいていない場合がある。そこで思い通りに動いてくれない場合には、各人の役割分担を明確にし、この時に職務分担表を作成し、全員に告知するのがよい。その仕事をこなしていないと、後ろ指をさされることになる。

役割分担においては、ある業務について、誰が責任者か、誰が実務担当者か、そして進捗を知るべきは誰かを話し合っておく必要がある。職務分担表が効果を発揮するときは、管理者が十分育成できていないときや新たな業務に取り組むときである。

これによって、現在進捗の遅れている業務の活性化を測れ、さらに新しく決定した施策の実現がスムーズになる。また、業務に当たる際に、関係者各人の役割分担を明確にする習慣を定着化させられる。

なお、職務分担表は社長自ら作るというよりは、たたき台を用意するのは社長であっても幹部全員で作り上げるのが良い。全員が全員のタスクを確認出来て、自分の責任範囲を同僚に明確に晒すことになるから、サボらなくなる。

これを用いることで、各人が自分の役割を明確に自覚し、また、お互いにどんな役割を期待し、どんな役割は期待すべきでないかを理解するという効果が期待できるため、個々の業務について経営陣のチームワークのとれた活動が可能になると思われる。

[教訓]
〇幹部に職務分担表を作成させ、お互いの責任範囲を明確にせよ。
〇表を作成した者同士がお互いにモニタリングする存在となる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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