孫子に学ぶ、「故に敵佚すれば能く之を労し、飽けば能く之を饑えしめ、安んずれば能く之れを動かす。」
(現代語訳)
敵が安楽な状態にあれば、疲労するように仕向ける。敵の食料が十分であれば飢えるように仕向ける。敵が安定しているときは、動揺するように仕向ける。
(解説)
孫子の兵法は、なるべく敵よりも有利な状況を作り出すことを前提としているが、そうは言っても数多くの戦を行っていれば、自軍が不利なことは多々ある。そのときにこの劣勢をどのように跳ね返せばよいのかがポイントになる。
相手が余裕を持っている場合には、その気持ちの余裕を奪う、つまり不安感を作り出せればよい。また、相手の食料が充実していれば、兵糧攻め等で次第に食料を切り崩すのが良い。そして、敵が休息している場合には行動させるように仕向けると良いとしている。
その商品のトップ企業はブランドもあり、横綱相撲を取ってくる。そこで、そのトップ企業を追う二番手の会社が、トップの地位を脅かす存在にでもなれれば、トップ企業の気持ちに余裕がなくなり、不安感を作り出すことができる。焦らせれば勝機が見えてくる。
トップを走る企業は、現状維持でかまわないし、どちらかと言えば戦術的に保守的になりがちだ。そこで劣勢にある企業はトップ企業を焦らせる戦術が良い。例えば、あり得ないくらいに値段を下げる、サービスをより拡充する等、顧客の目を引く仕掛けが有効となる。
財務的に持つかどうかという視点は重要だが、インパクトの強いキャンペーンを行うことによって、一時的に出費がかさんでも、競合他社を焦らせたり、おびき出したりすることはできるだろう。
[教訓]
〇相手が余裕を持っている場合には不安感を創出せよ。
〇相手が休息している場合には行動させるように仕向けよ。
〇インパクトを大切にせよ。