聖書に以下の事を学ぶ。
「離反する者は自分の欲望のみ追求する者。
その事はどんなに巧みにやってもすぐ知れる(18-1)。」
一生懸命部下のために尽くしていても、というか尽くしていると思っているだけだが、辞めてしまう人は辞めてしまう。欲望というほどネガティブなものではないが、自分の思い通りの仕事をしてみたい、給料が低すぎて、他の会社に行けばもっと高い給料が得られる、どうもこのチームや会社のやり方にはなじめない(これも一種の欲望ではあるが)、もっと自分が活躍できて評価できる場所に行きたいというのは、やむを得ないことでもある。どんなにこちらが粘ったところで引き留めるだけ無駄だ。
離反するという状況は、必ずしも会社を去るということだけではない。経理に全てを任せていたら、会社のお金を使い込まれてしまったということは稀にある。いわゆる業務上横領のケース。経理はそれほど給料が高くないために、特に従業員の給料の支払いを見ていると、ちょっと嫌な気分になることもある。あいつはこんなに多いのか、自分は少ないなあと。経理をやっている99%超の人は淡々とこなしているし、自分の立場や役割はわきまえている。だが、たまに魔が差す人がいるのだが、その横領の金額が大きければ会社に大きな損害が発生する。お客様のお金を使い込んでいたということになれば、それも会社のブランド力を低下させてしまう。
離反する者は自分の欲望を追求してしまう人で、おそらく治らない。ある会社の社長はバレないようにこそこそやれ、少しは認めてやる!と懐の大きな方もいたが、いやはや。
会社の中での立ち位置というものはあるから、自分の欲望を満たせないと思ったら、独立するしかない。それができないのであれば、欲望を持たないことだ。
「仕事に手抜きする者は
それを破壊する者の兄弟だ(18-9)。」
仕事の手抜きと効率化を一緒にしている人がいる。もっとも効率化をしようと思うのは、手抜きしたいという人間の堕落心がそのエネルギーになることも事実。手抜きをしたいのならば、手抜きをせずに、まずは効率化から行うことだ。
手抜きをした場合の作業を最初から想定することも効果的に見えるが、一番やってはいけないことはお客様に過度な負担を求めてしまうケース。その負担が見合ったものであればよいのだが、大抵がサービス提供側がラクをしたい、儲けたいという理由で、効率化という名の手抜きが行われる。こうなるとお客様から不平不満が生まれる。それだけならいいのだが、お客様本人の負担を考えると、面倒くさそうだ、辞めた、とサービスすらも売れなくなる。お客はラクをしたいからお金を払ってくれると心得よ。
サービスは色々とやってみて、どこを効率化したらコストが下げられるのか、お客様にやってもらえる範囲はどこなのかがよくわかる。頭で考えて、最初から効率化しても、お客さまには手抜きにしか映らない。
そのため、最初は思いっきり自分に負担をかけてみるのが良い。当然、その負担が予めわかっている場合には、わざわざ改めて負担をかける必要はない。業務内容を完全に把握している、自分の限界を知っている人だけが効率化を考えるにふさわしい。
そうでなければ、単にビジネスを破壊していることと何ら変わらない。
[教訓]
〇欲望を持ってしまう人はサラリーマンには向かない。独立したくないのなら欲望を捨て去れ。
〇お客様商売では決して手抜きをするな。効率化とサボりは同じではない。