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ビジネスはハーモニーである

およそ音は人の心から生ずる。感情が心の中に動いて、声となって現れ、声が文を為すのが音である。それゆえ、治まった世の音は安らかで楽しい。これは政が和らいでいるからである。乱世の音が怨んで起こっているようなのは、政が政道を外れているからであり、某国の音が悲しく憂えるようであるのは、その民が苦しんでいるからである。音楽は真に政治と通じたものである。五音の宮調は君にあたり、商調は臣に、角調は民に、徴調は事に、羽調は物にあたる。五音が乱れなければ調和しない音がなく、五音が乱れれば音をなさない。宮調が乱れる時音がすさむのは、君が驕るからであり、商調が乱れるときかたよるのは、臣が破れるからであり、角調が乱れるとき愁えるのは、民が怨むからである、徴調が乱れるとき悲しむのは、民が事に労するからであり、羽調が乱れる時に危ないのは、財が乏しいからである。五音がみな乱れる時は、互いに相陵ぎ、これを慢という。こうなれば国の滅びること、朝夕を俟たぬであろう。鄭・衛の音は乱世の音で慢に近く。桑間・濮上の音は某国の音である。これを奏すれば政は必ず三万となり、民は流亡し、上を誣い私を行って止めることができない。

(解説)
ビジネスは人の心から生じる。安定したビジネスは楽しい。これはマネジメントが和らいでいるからだ。売り上げが伸びなかったり、利益が出ずに損失を抱えているような場合には、成功の法則から外れている、またはスタッフに無理を強いているようなことが起こっている。

ビジネスが上手く行っているときには、組織がハーモニーを奏でている。リーダー、スタッフ、顧客、サービス、商品の5つがバランスよく保たれている。ここでリーダーが利益を貪り始め、好き勝手に会社のお金を使いまくると、スタッフのモチベーションが落ちる。スタッフの顧客対応が悪くなると、顧客も不機嫌になりリピーターが減少する。そしてサービス力が低下し、商品企画力も落ちる。商品力が落ちれば、当然売り上げが下がり、利益も悪化するから、内部留保が減少するだけでなく、ファイナンス力も低下する。

顧客の中でとんでもないモンスタークレーマーの存在が、スタッフを委縮させ、それが組織に伝播することもあるかもしれない。そうなると、サービス力が低下することもある。クレームを垂れられているとき、他の顧客だっていい気はしない。ムードがぶち壊しになる。何か一つでもバランスが崩れると全体に影響があるときもあるのだ。

全体のバランスが崩れて、ずっとアンバランスな状態が続くと、会社の存続自体に影響する。

[教訓]
〇ビジネスの各種要因のハーモニーを奏でるようにすれば上手く行く。
〇ビジネスはバランスだ。アンバランスな状態を持続させてはいけない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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