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ビジネスには感情をこめろ。深みが出る。

およそ音楽がおこるのは、人の心から生まれるのである。人心が動くのは、外界の物が動かすので、物に感じて人心が動き、それが音声にあらわれるのである。音声は互いに応じ合って変化を生じ、変化して方(文章)をなす。これを音というのであって、音を並べてこれを歌とし、干・戚・羽・旄に合わせる。これを楽というのである。楽は音によって生ずるもので、その本は人の心が物に感ずるのにある。従って悲しく心に感ずれば、その音は早くて後が消え、楽しく心に感ずれば、その音はゆったりとゆるやかに、悦ばしく心に感ずれば、その音は上がって外に散じ、怒って心に感ずれば。その音は荒くて激しく、恭しく心に感ずれば、その音はまっすぐで正しく、愛らしく心に感ずれば、その音はやわらかで優しい。この六つは人の性ではなく、心が物に感じて動いたのである。それゆえ、先王は人の心を感動させる本を慎み、その故に礼は人を善に導き、楽は人の心をやわらげ、政は行いを等しくし、刑は人の悪を防ぐのであって、礼・楽・政・刑は究極は一つに帰し、民心を同じくして平和をきたすもとなのである。

(解説)
まさにビジネスに通じる考え方である。ビジネスは人の心から生じる。人心が動くのは、外界で何かが生じると、その事象を感じて人心が動き、それが閃きとなって現れる。元々やってみたいことがあったら、それがベースとなって閃きの火花が散るのだ。その後、閃きが色々と変化を起こしてアイデアとなる。このアイデアを実現させるために、計画を練ったり、現実化するために他人のアドバイスをもらったり、世の中に出して勝算の高いものになっていく。

このアイデアというものは、感情の鏡となると思う。楽しいことは自分のアイデアによって生じる。元々気持ちの奥底でやりたい、あるいはやるべきと思っていたことがベースになっている。どちらかと言えば、願望よりも使命感なのかもしれない。ときにはその使命感が怒りから生じることもある。例えば、子供の頃、いじめの経験がある人は、いじめをなくす活動をなんらかでビジネス化しようとしているとしよう。このときは過去の悲しい経験や、二度と自分と同じ感情を味合わせたくないという怒りが原動力となっているだろう。

いずれにしても、ビジネスアイデアは、自分の中の心の叫びを形にしたものでないと薄っぺらなものになってしまうと思う。

[教訓]
〇ビジネスは人の心から生じる。
〇ビジネスは自分の中の心の叫びを形にせよ。強烈なエネルギーとなる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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