軍事が政治の不毛を補うことはできない。それは歴史上の事実であり、政治の水準において劣悪な国家が最終的な軍事的成功を収めた例はない。強大な征服者は、その前に必ず優位の政治家だった。政治は軍事上の失敗を償うことができる。だが、その逆は真であり得ない。軍事とは政治の一部分でしかないのだ。その事実を認めず、軍事力を万能の霊薬のように思いこむのは、無能な政治家と、傲慢な軍人と、彼らの精神的な奴隷となった人々だけなのである。
(解説)
軍事とか政治というと、経営と関係がないように思われるが、そんなことはない。政治を会社の中枢、コア、軍事を会社の一部門、一番わかりやすきは営業と考えてみよう。
営業が会社の中枢のバカさ加減を補えない。それは歴史的な事実であり、上層部がスカポンタンな会社は営業においても、成功を収めた例はない。
売上が上がらないのは、営業が悪い、だの言っている上層部は、基本的にバカと言っていいだろう。営業成果が出ない最大の理由は、それが売れる商品やサービスではないからだ。ひょっとするとビジネスモデルが悪いだけともいえる。
優れた経営者、あるいは実績のある経営者、ブランド力のある経営者でもいいが、経営が営業の失敗を償うことはできるだろう。会社と言うのは、結局のところ、キャッシュがあればなんとかなるのである。もちろん経営者の実績だけで何とかというわけにはいかないが、実績の伴った経営者が営む会社であれば、それなりの実績がある。つまり資金調達が可能と言うものだ。従って、資金調達によって、営業の失敗をカバーすることができるといえる。
営業は経営の一部門に過ぎない。しかし営業力を万能の霊薬だと思っている会社も少なくない。そのような会社は、上司が、営業マンの人格さえ否定していれば、何とか成果を上げてくると思っている。成果を上げなければ、精神的に追い込めばいい。全く無能な経営者と、傲慢な営業部長、精神的な奴隷となったスタッフ、と言ったところか。
営業成績が悪いのは、営業のせい、と思い込んでいる経営者や営業成績が営業部長のいる会社には先がないね。
(教訓)
〇営業は経営の一部門であり、万能ではない。うちでの小槌でもない。
〇営業よりも、商品やサービス力あるいはビジネスモデルを、会社の上層部が改善せよ。