兵力を運用するにあたっては、柔軟性と即応性が不可欠であるから、ことに通信面と行動面における機能性が重要な意味を有することになる。通信網が破綻すれば、味方が攻撃されるのを遠方で手をこまねいて傍観することにもなりかねない。
このため、帝国軍の通信網には三重のアンチ妨害システムを備え付け、さらにそれが破られた場合を想定して、短距離用跳躍能力を有する連絡用シャトルを2000隻用意することとなった。現在の帝国軍の場合、総司令官ラインハルトの指揮能力に問題はないので、指令の伝達とそれに応じる機動力を可能な限りスピードアップさせることを考えればよいのである。
(解説)
双頭の蛇という陣形では、ある場所を攻撃されたときに、別の部隊が、支援することが前提となる。特に、同じ戦場であっても、広い宇宙空間の戦闘にあっては、通信が戦術の効率的な運用に不可欠と言える。そして、通信手段のバックアップが重要となる。
災害時の事業継続について、同じようなことが言える。東日本大震災のときに、通信がつながらない状況が起きたことは記憶に残っているだろう。電話回線やインターネット回線において、利用者のアクセスが特定のルートに集中すると、回線容量が超過し、通常の通話や通信ができなくなることがあって、このような状態を輻輳(ふくそう)という。
当時は比較的インターネット網が健全に機能しており、Twitter、Facebookを使った安否確認や事業連絡が行うことができた。そうはいても、インターネット環境も通信キャリアの基地局が動かなければ動作はしない。
東日本大震災時に、通信インフラの機能停止は、通信設備が流される場合もあれば、停電と言う場合もある。
災害時、家庭や個人であれば、無事かどうかの安否確認だけで済みますが、企業は可能な限りの事業継続を必要とする。そして、各種通信手段の確保だけでなく、その後の指示出しも重要となる。まずは災害発生直後に、速やかに従業員の安否確認を行い、経営資源の被災状況を確認し、集約する。その結果をもとに、どのような指示を出すかを担当者間で議論し、従業員に対して、今後の指示を出し、必要各所に情報共有を行う。予め、災害時の事業継続計画を策定しておく必要がある。
(教訓)
〇災害時の通信手段を複数持っておくこと。
〇災害時の事業継続計画を策定しておくべき。