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どうにもならないときはおとなしくしていろ

他の基地が急遽、放棄される中で、JL77(同盟のシュバーラ星系通信基地)は機能集約化の拠点とされ、帝国軍侵攻の情報を、その寸前まで収集かつ伝達し続け、兵士たちの脱出は不可能な状態であった。

JL77の戦闘要員は2000名しかおらず、火力も貧弱であり、機動力に至っては皆無であった。一隻も貧弱であり、機動力に至っては皆無であった。一隻の戦闘用艦艇もないのだ。帝国軍が小指の先で触れただけで、像の前の蟻にも似た末路を辿らざるを得ないのは確実であった。統合作戦本部としても、JL77に過大な義務を強いながら、逆境の中に放置することに、全く罪悪感を覚えずに済むというわけにはいかなかった。五万人の戦闘要員、300隻の戦闘用艦艇という、事情が許す限りの大規模な増援部隊を派遣して力を添えようとしたのである。ところが、基地司令官代行の地位にあるプレツェリ大佐は兵力増強の報を受け手歓喜のタンゴを踊ったりはしなかった。「せっかくですが」と一応の礼儀を保ちながら、増援を断ったのである。恐らく当人以外の全てが仰天したであろう。

「つまり、吾々は玉砕するのですな。どうせ玉砕するなら五万もの両雄をみすみす道連れにできないと・・・?」・・・
「そうじゃない。吾々が生き延びるために、増援を断ったのだ。現在の吾々の存在など戦力とは言えない。・・・そこへ、5万の戦闘要員、300隻の戦闘用艦艇が動くとなれば、・・・必ず敵に知られる。とすれば、見過ごそうとしてくれている敵に、わざわざ、攻撃の必要性をそそのかすようなものさ。助かりたかったら、いたずらに動くものじゃない。」

(解説)
同盟軍のプレツェリの予想通り、帝国軍のミッターマイヤーは、JL77基地を攻撃する必要性を認めず、その前方を悠々と通過した。

出る杭は打たれる、と言う言葉があるが、目立って邪魔だと潰される可能性もある。そのため、無理に目立つよりは、全く目立たない方がいいという考え方もあるだろう。潰すというのは、将来の脅威があると思われるからだ。

例えは異なるが、隠れ家的飲食店は、わざわざ宣伝などしない。知っている人が来てくれればいい。隠れ家なのに、わんさか客が訪れたら、隠れ家にならなくなる。目立つよりも目立たない方がいい場合は少なくないのだ。

(教訓)
〇無理に目立って潰されるよりも、目立たずにひっそりと力を付けた方がいい。
〇隠れ家的飲食店は、宣伝をしてはならない。客がわんさか訪れたら、隠れ家にならない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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