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会社を倒産させる原因とは

聖書に以下の事を学ぶ。

賢王がそのまま賢王として、任期を全うするということはないものだ。ソロモンにしても例外ではなかった。妻が700人、300人の側室がいたのはよいのだが、これらの女性は近隣諸国から連れてきて、当初は近隣諸国との良好な関係を築くためという崇高な理念があったが、そのうち自分の欲望を満たすために変わっていった。その女性の歓心を買うために、その女性の土着の神を愛するようになった。具体的には、神殿の中に異国の神々のための宮を建て、自らも異教を取り入れ、拝むようになってしまった。これがイスラエルの神様を怒らせることになる。

その結果として、神様は「あなたがこのようにふるまい、わたしがあなたに授けた契約と掟を守らなかったゆえに、私はあなたから王国を割いて取り上げ、あなたの家臣に渡す。・・・あなたの息子の時代にはその手から王国を割いて取り上げる。」

こうして、ソロモンに敵対する者としてエドム人のハダド、エルヤダの子レゾンを立てた。いずれも以前、イスラエルに攻められ支配下に置かれた種族である。また、ソロモンの家来であったヤロブアムが反乱を起こす。

自らの欲望のために権力を用いようとすると、それに反感を覚える人は必ず出て来るもの。それは現代の会社組織においても同じことだ。株主であり、代表取締役だから好きなことをやっていいと思いがちなのだが、会社は社会的な公器である。人を雇った時点でそうなる。だからといって、従業員の顔色を窺え、気を使えということではなく、露骨には自分の欲望を会社で満たさないという姿勢が必要である。

社長が会社を好き放題にしていたら、本当に会社に必要な優秀な人間が嫌気を指して出ていってしまう。確かに、それだけの会社を作ってきた社長は凄いし、そこで雇われている従業員は所詮、単なる働き手にすぎないし、代わりはいくらでもいるのかもしれない。

だが、私利私欲で会社のお金を使われると、いくら会社の社長のおかげだと言っても、スタッフは何らかの形でその売り上げに貢献しているわけであり、その一部が、私利私欲に使われていると思うと、モチベーションが上がらない。

稼げるビジネスモデルを作ってやった。スタッフには給料を支払っているから自分の好き勝手にお金は使わせてもらう。そういう態度がどこかで組織をむしばむようになる。また、その考え方は伝播し、いつしか役員連中が会社のお金を拝借してしまうようになっていく。そうなるとスタッフの気持ちはだんだん離れていってしまう。代わりはいくらでもいる、そんな傲慢な気持ちが、代わりがいくらもいなくなってしまうことにもなりかねない。

[教訓]

〇経営者が自らの欲望のために、会社を私物化したら、優秀な従業員ほど離れてしまう。従業員もその会社の利益を上げるために貢献しているわけだから、モチベーションが下がる。ひいては会社の業績を下げることになる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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