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将来、企業に利益をもたらす源泉とは何か

聖書に以下の事を学ぶ。

ダビデが人妻のバド・シェバに産ませた子がソロモンであったが、賢王としての名を遺した。子の人生は親に影響されない。さて、ソロモンの前に神様が現れ、願いを叶えてやろうと言った。ソロモンは次のような願いを伝えた。

「私は取るに足らない若者で、どのようにふるまうべきかを知りません。・・・どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように。この僕に聞き分ける心をお与えください。」

それで神様は喜んで次のことをソロモンに伝えた。

「あなたは自分のために長寿を求めず、富を求めず、また敵の命も求めることなく、訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。見よ、私はあなたの言葉に従って、今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える。・・・わたしは、あなたの求めなかったものの、富と栄光を与える。」

それで次の話が続く。一人の赤ん坊がいて、それが自分の子供ですと言い張る母親が二人いた。そこでソロモンが命じた。「生きている子を二つに割き、一人に半分をもう一人に半分を与えよ」と。一人の母親は、「この子を生かしたまま、あちらの人にお与えください。」もう一人の母親は、「(あちらに渡すくらいなら)割いて分けてください」といった。それで、「この子を生かしたまま、先の女に与えよ。この子を殺してはならない。その女がこの子の母である」と裁きを申し伝えた。

私利私欲を持たなければ、より多くの富を得られるというきれいごとは言いたくはないが、銭ゲバは中途半端な富しか得られないように見える。それでも一般人からすれば羨ましい限りの財産ではあるが。お金は追うと逃げる。そういう意味では、欲望を持ちすぎない人の方が、かえって、それなりの富を手にしていると思われる。

お金を持っていても、将来はどうなるかわからない。一寸先はまさに闇である。持つことに意味があるのではなく、稼いで使うことに意味があるのがお金というものである。インフレになってしまえば、いつ紙くずになるかもわからない。預金封鎖が現実になれば、持っていても大損になる。また、それを別の資産に変えても、その資産の価値が下落しないとも限らない。通貨の価値は現在と将来では異なる可能性が高い。

そうであれば、知恵を得て、いつでも稼げる、どのような経済状況においても稼げる、そういう能力を持っていた方が、最終的には富を築けると思われる。従い、ソロモンが知恵を神様にねだるのは、本当に賢い人のベストな選択と言えるのではなかろうか。

国が奪われようと、財産が奪われようと知恵は奪われることがない。ユダヤ人はそれを身をもって体験した民族である。だから彼らは知恵を大事にする。優秀な人が多い理由はここにもある。

[教訓]

〇目の前の富よりも、将来の富を生む知恵を求めよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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