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本当に優秀な営業マンとは

聖書に以下の事を学ぶ。

ゴリアテとの戦いの後、ダビデが参戦すると連戦連勝となり、イスラエルの民がダビデを称賛するようになった。サウルはダビデに王位を取られると思い、敵意を抱き、幾度となく殺そうと試みた。それを息子のヨナタン、娘であってダビデの妻のミカルの機転で、ダビデは逃げることができた。サウルはダビデを追って殺そうとする。

サウルは用を足すために洞窟に入ると、その洞窟の中にダビデも隠れていた。神は、「わたしはあなたの敵をあなたの手に渡す。思い通りにするがよい。」とダビデに伝えた。ダビデはサウルの上着の端をひそかに切り取った。殺そうと思えば殺せなくもなかったが、主君であり、一度神様が油を注いだ人に対して、手をかけるわけにはいかないとサウルを説得することにした。

「わが父よ、ご覧ください。私の手には悪事も反逆もありません。貴方に対して罪を犯しませんでした。それにもかかわらず、あなたは私の命を奪わおうと追い回されるのです。・・・私は手を下しません。主が裁き手となって、私とあなたの間を裁き、あなたの手から私を救ってくださいますように。」

これを聞いたサウルは、「今私は悟った。お前は必ず王となり、イスラエル王国はお前の手によって確立される。」として、ここに二人は和解した。

ダビデの腕前であるから、手をかけようと思えば手をかけられたのに、そうはしなかったことはわかる。

営業に置き換えるに、本当に優秀な営業マンは、相手を誤解させて獲得することはない。中途半端に優秀な営業マンは、相手の不利益になることは一切に言わず、メリットだけを淡々と述べる。騙す意図はないが、騙すのと同じ結果となる。優秀な営業マンは、最初から相手に不利益を伝え、それでも〇〇というメリットがある。デメリットよりもメリットが上回るのはこういうときだと伝える。リスクを伝えたうえで、最終的に顧客の判断に任せる。それで完全に信頼を勝ち得ることで契約を結んでもらう。本当に自信があるのならば、リスクを伝えてもなお、契約は締結できるはずだ。

営業を受ける方としては、何か物を売られるのだろうという気持ちがある。しかし、相手から、それほど営業モードを感じることなく、不利益な点もきちんと伝えてもらえれば、強い信頼関係を築くことができる。本当に自分のことを考えてくれているのだと思えるからである。慣れていない営業マンは、自分がモノを売ることで精いっぱいで、デメリットを伝えず、ひたすらメリットを語ろうとする。それで取れる客もいるが、どこかでトラブル。大いに手の内を見せよ。信頼を獲得してからモノを売るのが良い。

[教訓]

〇本当にできる営業マンは、お客にきちんとデメリットを説明し、それを上回るメリットを説明できる。信頼を勝ち得てからモノを売れ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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