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犠牲には有益なものと無益なものがあることを認識せよ

「ご存じですか?来年早々にも、また叛乱軍に対する軍事行動が起こされるそうです。今度はイゼルローン回廊に叛乱軍の侵攻を赦さず、こちらから先制攻撃するとか」
「偉く強気だな、ミュッケンベルガー元帥も。何か理由があるのか」
「今回の戦死者が少なかった、と、そう言っておいでのようです」
「少なかっただと」
「40万人達しませんでしたから。30何万の生命、それと同じ数の家庭です。門閥貴族たちにとっては、取るに足らぬものなのでしょう」
・・・
「キルヒアイス、俺はこんなバカげた戦いはしない。無益に兵士たちを殺すようなことはしない。俺たちの目的を達成するためには、まったく血を流さないわけにはいかないだろうけど、無益に血を捨てたりしないことは約束する」

(解説)
成功には犠牲が必要である。しかしその犠牲はなるべく、有益なものにしたい。無益な犠牲は避けたい。

ビジネスにおいて、成功の一つの形は利益を残すことである。利益を残すための事業活動は、シンプルに考えれば、費用(原価)をかけ、投資をすることで、売上を残し、利益を出せばよい。

有益な犠牲とは何か。売上につながるコストだろう。投資は、今すぐの売上には貢献せず、数年先あるいはもっと長期的な売上に貢献するものだ。

無益な犠牲とは何か。売上につながらないコストであり、将来の売上にも貢献しない投資である。結果として現在の売上や将来の売上につながらなかったということはある。これは無益な犠牲とは言えない。犠牲を払ったときは有益だったのだから、やむを得ない。但し、事後検証は必要であろう。経営者あるいは幹部の意思決定の中で、分類をしていけば、当時は有益だと思ったが、結果として無益になったものを列挙し、その原因解明をしていく。その原因に合致した場合は、投資をしない、と考えればよいだろう。誰しも思い違いはあるものだ。例えば、与信をせずに取引をしたら、貸倒損失を発生させた、というのであれば、今後は与信をしない限り取引をしない、というのが改善策であろう。

そうでなくてわかるのは、経営者の個人の趣味以外の何物でもない出費である。ゴルフも営業活動の一環だとはいうが、怪しいことが多い。経営者の個人の趣味を事業経費で支払えば、原則損金では落とせない。無益な犠牲が多ければ、会社経営も傾く。

(教訓)
〇成功のためには犠牲が必要である。
〇有益な犠牲と無益な犠牲を検証せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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