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どういうリーダーが慕われるのか

織田信長に学ぶ、

信光暗殺から二年度、信長の異母兄である安房守秀俊が家臣に暗殺された。このようなことが信長の仕業であると思ったのだろう。信長の弟である信勝は家臣の人望も厚く、信長の筆頭家老である林秀貞は、信勝を支持し、信長の直轄地の篠木三郷を横領。次第に領土を拡張しようとしていたため、信長は名塚に砦を築き、佐久間大学に守備させた。

信勝の名代柴田勝家と信長は稲生原で激突。信長は70メートルほど退いて軍勢を整え、柴田隊に目掛けて突進。信長は大音声で叱咤。柴田の兵は散り散りになって逃れた。間髪を入れず信長は林美作に向かい、信長自らの奮戦で、本来戦闘要員ではない下人も奮起した。敵の主将の美作が信長に打たれたとことで勝敗は決した。主将から下人まで一丸となって戦った末の勝利であった。

林秀貞と柴田勝家は罪を赦され、信長の下で老親の地位を保った。

(解説)

信長の信念に反した場合、たとえ親兄弟でも容赦しないという考え方は、周囲の人間からすれば畏れられたであろう。そして、信長は常に先手を取っている。それが名塚に砦を築き、佐久間大学に守備をさせたという点だ。

信長は戦で命を落とす危険はあっても、後ろでのうのうとはしていない。自ら戦地に入って、敵と勇敢に戦う姿勢を崩さなかった。社長が自らリスクをおって、営業をするとか、借金返済の延長に立ち会う姿を見れば、部下の我々も、もちろんその営業の代金や借金返済で返済しなかった分をきちんと給料で払ってくれるという条件付きではあるが、意気に感じて、社長のためにサポートするぞと思えるものだ。しかし往々にして、そういう企業は資金繰りが厳しく、従業員への給料も払えなくなることがよくある。いくら社長が魅力的で入社当初は信頼していたとしても、完全なガス欠になれば生活はできないし、ましてや家族がいれば、家族を食べさせていかなければならないから、給料をもらわなくていいということはまずありえない。それどころか、こういう会社は社長自らが営業に専念するために、銀行や取引先への支払延長対応はよろしくとか、経理や財務に押し付けてくる。「資金繰りのことを考えていると、営業に集中できないから。」と言う理由なのだが、それを含めて、アンタの責任だろと思う。

挙句の果てには、財務担当取締役はお金についての、代表取締役だと言って逃れる。もはやそのような社長には信頼もできなくなる。代表取締役と平取締役の間には、もの凄い断絶的な責任の違いがある。それを理解していない代表は会社を率いる資格はない。もっともその財務担当取締役が代表権を持っていれば話は別だ。

なお、会社を危機に陥れた部下がいても、それを社長が許すことで、よりその部下に対する社長への信頼度は上がる。一度の失敗をいつまでも引きずらず、さっぱりしていることが組織の長には求められる。

[教訓]

〇社長自らがリスクに対処しなければ、部下はついてこない。

〇優秀でなおかつ従順な部下となると思えば、一度の裏切りは許せ。敵でも懐に引き入れよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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