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プロジェクトの目的変更のタイミング

織田信長に学ぶ、

信長が秀吉に「上月城救援の作戦がはかどらず、陣を構えていても見通しが立たない以上、ひとまずこの陣は引き払い、代わりに神吉・志方へ押し寄せて攻め破り、その上で三木の別所長治の城を攻めるのが良い」と指示をした。

神吉の城へ激しく攻めより、即時に外構えを攻め破って裸城にした。本城の堀へ次々と飛び込み、兵を突き崩して数時間攻め立てた。織田信孝は足軽と先を争って戦ったが、苦戦であった。一挙に攻略できそうもなかったので、この日は攻撃を緩め、また翌日、銃弾よけの竹束を持って本城塀際まで詰め寄り、埋め草で堀を埋め、築山を築いて攻め立てた。

(解説)

1577年に、織田が中国攻略に着手し、秀吉が上月城を陥落させた。陥落後に、秀吉は表向き信長に臣従しながら、立場を明確にしない別所長治、小寺政職らの懐柔に手を焼く。しかし予想通り、別所氏が毛利側へ離反。さらに毛利本軍の出陣を受け、秀吉は信長に援軍要請。このとき上月城を守るのは尼子勝久を総大将とする手勢3,000名にすぎなかった。信長の意図は三木城の攻略と毛利軍の足止めにあった。このため尼子軍は事実上の捨て駒として扱われた。

さて、前段の信長の言葉を表面上に解釈する考え方と、真意を解釈する考え方の二通りが考えられる。表面上に解釈する場合は、埒が明かないことにいつまでも関わってないで別のことをやれと言える。ダメな場合に粘っても良い結果は生まないものだ。どこかで方針転換が必要になるときがある。お客のニーズに合わないのに、その商品やサービスをお客に対して売ろうというものだ。ここはひとつお客のニーズを聞き出して、それをもとにサービスの内容や商品を見直してから、再度、販促や販売活動すべきだろう。販促の訴求ポイントを変更するということも考えられる。まずは今のやり方をやめることが大切だ。

次に真意を解釈する場合は、目標自体を変えることだ。実際に、ビジネスを始めたものの、サービス内容の変更だけでなく、目標が変わることがある。アラサーの女性をターゲットに販売していた商品が、実はアラフォーの女性の方が受けが良かった、これは顧客と言う目標(ターゲット)を変えることを意味している。

商品自体の機能を変えるということもある。有名な話だが、ポストイット(付箋)は元々強力な接着剤の研究を行っていたがうまくいかず、たまたまできてしまった「よく付くが簡単にはがれる」接着剤があり、それを商品化したものだと言われている。求めている結果とは別の価値を生み出すことをセレンディピティと言う。考えること、開発することの視点を考えれば、実は失敗作なんてものはないのかもしれない。自分たちの発想の貧困なのかもしれないのだ。

[教訓]

〇良い結果が出なければ、立ち止まって考えなおして、やり直せ。

〇ある顧客層に対してよい結果が出なければ、他の顧客層だったらどうかを考えてみよ。

〇求めているとは別の価値が生まれるかもしれない。失敗作だからと言って、他のことに仕えないかを頭を柔軟にして考えてみろ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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