聖書に以下の事を学ぶ。
「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は、初めに神と共にあった。万物は言によってなった。なったもので、言によらずになったものは何一つなかった。言のうちに命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった」
日本においても「言霊」という考え方がある。これは声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発するとよいことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされている。そのため、全ては言から始まるというのは理解しやすい。
経営者も、将来こうなる、我々はこうする、といった会社のビジョンを言語化して伝えなければ、部下は動きようがない。そのため企業はまず経営者の言から始まると言える。
経営者もただ頭の中に、イメージしているだけでは、たらればで終わってしまう可能性が高まる。そこであえて口にして、周囲を巻き込んでみる。そうすると、周囲の人から「あなたがこの前言っていたこと、今どうなってます?」と言ってくれれば、儲けものだ。まだ何もやってないよと言って頭を掻くのもいいが、恥ずかしいから自分でも少しでもやろうという気になる。
また、言語化は客観化の始まりでもある。頭の中から外に出した時点で、他人と共有ができる。そうすると、このビジネスは上手くいくとか、行かないとか、利益が出るとか、お客様には大してメリットがないとか、色々と他人からのアドバイスを受け、ビジネスモデルを儲かる形にブラッシュアップできる。結局多くの人たちが納得するものでなければ、ビジネスを展開してもお客様を掴むことはできない。それに人にアイデアを話すと、今まで、頭の中でモヤモヤしていたものが、一気に、洗練されたものに変わる。だから、とにかく外に向けて話をするだけでもいいのだ。
また何よりも、言語化しなければ、その事業に用いるための資金調達もできやしない。何も言わなくてもお金をドカンと出してくれる人はいない。必ず、投資家や金融機関には、資金使途や事業計画を見せなければならない。要するに何をやろうとしていて、それをするにはどれくらいお金が必要で、最終的な売り上げや利益はこれくらいになるから、投資家にはこれだけお返しができます、ということを納得してもらわなければならないから、それは全て言語化されている必要がある。
[教訓]
〇ビジネスは経営者が声を出すことからすべてが始まる。声に出さなければ資金調達もできないし、パートナーも見つからない。声に出せば現実化する。但し、行動に移せば。