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顧客ネットワークの作り方

聖書に以下の事を学ぶ。

「私につながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたもわたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。・・・人が私につながっており、私もその人につながっていればその人は豊かに実を結ぶ。」

ここで実とは収益とか、喜びといったものである。ある会社の商品やサービスがお客とつながることで、会社は初めて利益を上げることができるが、その商品やサービスがお客にとって良いものであると感じられるから、お客にとって喜びが生まれる。従って、お互いに木につながっているから豊かな実を結ぶ。

以前の企業と顧客の結びつきは希薄であった。例えば企業が売りたい商品があれば、広告宣伝(大企業であればTVCM)を一方的にしていれば、お客は欲しくなり購入したものだ。しかし今はそんな時代ではない。TV離れも生じ、CMに対する広告主の信頼性も落ちている。今は、ネットやSNSによる繋がりの方が、企業にとって大きなメリットを感じている。特に口コミが大きい。SNSでバズりが売り上げに比例するわけでもないが、人の噂が売り上げに影響を与える。

いくら企業が宣伝して、自社の商品やサービスのメリットを伝えたところで、友人や知人からの一言の方が、その商品やサービスの購買動機になっている。

ここで私とは、中心人物であるから、その商品やサービスの提供者の長、つまり会社の社長のことである。店であれば店主である。今までの経済では、どちらかというとモノが中心であり、モノで選ばれた時代だ。しかし今は、そのモノによる差別化はあるにはあるが、段々困難になってきている。今までは低価格が強烈な差別化の一つにはなっていたが、競合がみんな低価格路線を突き進むと、サービス提供者が弱ってしまう。

ネット社会になり、色々な情報が飛び交う中で、業者同士もお互いの情報を取りやすくなっている。あそこが〇〇円ならば、うちもそれくらいにしなければ。あちらの商品はお客様に評判がいいらしい、それでは真似しよう。とこうなる。そうすると、みんな平均的で無個性な横並びの商品構成になってしまう。競合との違いは何なのかを明確にすることも難しい。

こうなってくると唯一取れる差別化は、会社の社長や店主のキャラクターになってしまう。まさに人、そのものが差別化になる。人を差別化要因にするとなると、ブドウの木のように店主、店、従業員、そして顧客が木の枝と同じようにみんなが一つにつながっていなければならない。そうなると店主も従業員も顧客も一蓮托生。どこかに利益のしわ寄せがくると木がしおれてしまう。例えば顧客からお金を取りすぎるとか、従業員をサービス残業などで疲弊させ、店主が儲けすぎれば、絶対に木がダメになってしまう。

これからの世の中は、ぶどうの木のように、全員がつながるネットワーク構造で成り立つ経済になっていくだろう。繋がりが豊かな実を結ぶ、そんな時代だ。ネットワークをトータルマネジメントせよ。略してTMネットワーク(Total Management of your business Client Network)。残念ながら商標登録はできない。厳密にはTMCネットワークだな。

[教訓]

〇顧客と企業、経営者と従業員、取引先。全てが一つのネットワークでつながっている。誰かが損をしたら、豊かな実はならない。ネットワークをトータルマネジメントせよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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