世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

過去を破壊し、未来を創造するのが起業家の役割

聖書に以下の事を学ぶ。

「わたしは知恵ある者の知恵を滅ぼし、賢いものの賢さを意味のないものにする。」

神の前では平等である、という趣旨だが、ここはビジネスとしてどう解釈するかを考えたい。

栄枯盛衰の世の中、以前流行していたものは、じきに新しいものにとって代わられる。例えば、固定電話、ポケベル、携帯電話、スマホ。この中で完全にポケベルは消え失せてしまった。もっとも固定電話からスマホの流れの中に、ポケベルを入れてしまってよいかは若干違和感もある。固定電話について言えば、大企業でIP電話を採用する企業が増えている。そのため、純粋な固定電話は、ものすごく少なくなっている。

そもそも、いまどき、固定電話を持っている人が少なくなっている。以前は固定電話と携帯を持つのが当たり前の時代もあった(当然携帯電話がまだ鉄アレイだった時代のこと)。今は携帯だけしか持たないのが当たり前の世の中になっている。使い方という側面から行くと、携帯電話からスマホになることで、通話よりもメッセージツールに完全に移行したようにも見える。

固定電話から携帯の流れは、NTTからNTTドコモでもあるから、上手く同じ企業の中で世代交代がされたといえよう。しかしポケベルは会社ごと消滅してしまった。つまり、ポケベルという知恵を、携帯電話という新しい知恵が壊してしまったということなのだ。

ビジネスには、今流行している、稼げるモデルを丸裸にして、もっと稼げる形に変える方法を取っている。つまり、既存の賢さを新しい形でサービスを提供することで、その賢さを意味のないものにしている。

がんの治療薬も、どんどん進化し、より効果的なものに変わりつつある。そうなると以前の治療薬がこの世から消えていく。

広告だってそうだ、もちろん未だテレビやラジオ、新聞、雑誌という既存メディアの広告も健在だが、ネット広告にシェアを奪われている。経済産業省が発表した特定サービス産業動態調査(2019年2月18日)によると、2012年でネット広告が新聞広告を上回り、急激にテレビ広告に迫っている(2018年は、全体の広告費が59,505億円のうち、テレビが15,030億円、ネットが7,767億円)。

昔の知恵を新しい知恵が踏み台にして滅ぼしていく。そうして進化が続いていく。特に起業家は、既存の知恵をいかに滅ぼすかを考えなければならないと言える。

遠慮なく既存企業を叩き潰せ、それが起業家に求められた役割なのだ。

[教訓]

〇起業家に求められた使命は、既存の知を破壊し、新たな知を創造することだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする