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起業家の本当の使命とは

聖書に以下の事を学ぶ。

「私たち強い者は、強くない者の弱さを担うべきであり、自分の満足を求めるべきではありません。おのおの善を行って隣人を喜ばせ、互いの向上に努めるべきです。」

強い者がますます強くなり、弱いものがますます弱くなる。日本もいよいよ二極化に様相が見えてきている。以前は企業が強く、消費者が弱い立場に置かれていた。しかし供給者が増え、選択肢が広がってきた結果、このパワーバランスも大いに変わってしまった。

企業の委託受託構造の中にもこの問題はある。大企業は中小企業の弱さを担うべきであり、自社の利益を求めるべきではない、と言っても所詮掛け声で終わってしまう。

しかし、本当にそのようにしていかなければ、つまり大企業が中小企業を景気の調整弁や、利益の調整弁に使うという今の状況が続くようなことになれば、中小企業が疲弊し、そこに勤める人も疲弊してくる。日本の国力がより衰えることになりかねない。

誰かが利益を貯めこむことは、その他の人からの利益を奪うことになり、日本の社会全体としてのパイが変わらない、むしろ減っていくわけだから、どう考えても日本の明るい未来など臨めるわけがない。

おのおの善を行って隣人を喜ばせなければ、互いの向上にはつながらない。中小企業を潤せば、そこに勤める従業員も潤すことになるから、その従業員がお金を使うようになる。その中には、大企業が提供している製品やサービスもあることだろう。お世話になっている会社の製品やサービスは積極的に購入し、売上に貢献するものだ。

古き良き日本の姿は、ある自動車会社の系列に入ったら、関係する従業員は当然その自動車メーカーの自動車に乗ることになる。もはや親子三代、その自動車メーカーの製品しか乗らないなんて、昔は当たり前だった。それが日本の強さを作っていた。

余裕がなくなった日本企業は、少しでも利益を自社に貯めこもうとし、中小企業いじめがより進行しつつある。強い企業は、そうならば他のサービスへどうぞと言わんがばかりに、消費者から色々な手数料を取ろうとする。その強い企業は本当に強いかどうかは知らんが、少なくとも消費者とのパワーバランスを考えれば強い。例えば、銀行の振込手数料のたぐいである。

それだけならばいざ知らず、お客を騙してお金をぶんどる大企業まで現れている。本当に無節操な世の中になったものだ。

昔は企業が消費者をあらゆる意味で育成していた。自社の従業員だけではなく。一番大きなことは国民所得の育成である。しかしもうそれもできなくなってしまったということだ。

大企業と中小企業、企業と消費者、お互いがWin-Winにならない限りは、決してお互いの向上にはつながらない。

[教訓]

〇隣人を喜ばせなければ、互いの向上は望めない。企業は従業員だけでなく、顧客、取引先(下請)から搾取するのではなく、十分に利益や便益を与えよ。そうしなければ、経済のパイが縮小する。起業家は国民所得の増加が使命だと心得よ。大企業の経営者は当然のこと。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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