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約束を守る人間になる方法

聖書に以下の事を学ぶ。

「ある金持ちに一人の管理人がおり、その管理人が不正を働いていると告げ口があり、それを管理人に問うた。管理人は首になったら生活できないと思い、その金持ちの債務者を呼び寄せて、全ての債務を減額した証文を作成して、債務者に手渡した。それのやり方を逆に金持ちは褒めた。」

「・・・不正にまみれた富で友達を作りなさい。・・・ごく小さなことに忠実なものは大きなことにも忠実である。ごく小さなことに不忠実な者は、大きなことにも不忠実である。だから不正にまみれた富について不忠実でなければ、誰があなた方に本当に価値のあるものを任せられるだろうか。」

文言解釈を文字の通りに行うと、ガンガン不正をやれと言われているように見えるが、まさかイエスが不正を良しとするとは思えない。金持ちは「ラクダが針の穴を通るよりも天国に行くのは難しい」と言ったり、なるべく富を分配することを奨励していたところを見ると、不正は確かに良くないだろうが、結果として貧乏人を救うことになっていることは、ほめる対象と考えて良いのだろう。

さすがに「不正にまみれた富で友達を作りなさい」というのは完全に例えであろう。その後の言葉が重要だ。小さなことに忠実なものは大きなことにも忠実である。逆に小さなことに不忠実であれば大きなことには当然不忠実となると言っている。

不正にまみれた富で友達を作るということを文字通り取ってしまうと、例えば、脱税したお金でみんなと飲み食いしましょうとか、オレオレ詐欺で儲けた金で、どんちゃん騒ぎしましょうとか、そんなイメージに見えてしまう。でもこんなところに来た連中なんて、本当にお互いが友達になるのだろうか。単なる同じ穴の狢にすぎず、いざというときには「私はあんな奴とは関係がない」とか逃げそうだ。

忠実というと難しいが、約束にするとわかりやすい。小さな約束すら守れない人間は、大きな約束は守れるわけがない。事業が上手くいかない会社の社長は、小さな約束を破ることに慣れてしまって、そのうち、大きな約束を破ることに何とも思わなくなる。約束を守らない人間は、本当に信用ができない。こういう人とは絶対に一緒に仕事ができない。

こういう人は、数万円貸して返ってこない。もっと大きな金を貸してくれと来るが、数万円も返さない人間は数十万や数百万円なんてもっと返せるわけがない。まあ、最初の数万円は一種の手切れ金だと思って、深追いしない方がいい。

[教訓]

〇小さな約束さえ守れない奴は、大きな約束事は守れない。まずはこの人間と付き合うかどうかを決める際には小さな約束を取り付けよう。それさえ守れない奴とは最初から付き合うな。時間の無駄だ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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