聖書に以下の事を学ぶ。
「計画は助言を得て立てよ。
戦争は指揮力を整えて始めよ(20-18)。」
計画は、色々な人からのアドバイスをもらった方がいいとは、前述したが、次の「戦争は指揮力を整えて始めよ」を取り上げよう。戦争はビジネスと置き換えて考える。指揮力は自分自身のマネジメント力。それはスタッフのマネジメントであったり、外注先であったり、あるいは、スケジュール管理、資金管理と会社経営にまつわる色々な管理事項がある。これらマネジメントができるようになってからビジネスを始めるとよい。
もちろん、起業してから、これらマネジメント力を鍛えていっても遅くはないし、この中で自分が鍛えられそうにない、不得手だと思うことがあったら、これらを管理できる同僚に丸投げしてしまえばよい。同僚にお願いすることも立派な指揮力の一つだ。
「勤勉な人は良く計画して利益を得
慌てて事を行う者は欠損を招く(21-5)。」
計画の実現可能性が高ければ、利益を上げることができる。一番やってはいけないことは、計画も立てずに、マーケティングもせずに新規事業を始めてしまうこと。新規事業を始める多くが、既存事業でお金を稼げないためであって、それならば新しいことをやるというのはあまりにも安直に過ぎる。既存事業で上手くいかないに関わらず、新規事業で上手くいくわけはない。まずは既存事業を徹底的に見直すことから始めるとよい。
お金が無くなってからは動けないのだが、計画もマーケティングも立てずに始めると、赤字の垂れ流しにしかならない。しかも焦って動くと、相手に足元を見られてしまう。行き当たりばったりで、出たとこ勝負では、コストがいくらかかるかも想像がつかない。
失敗したときこそ、次のことを急いでするというよりは一度立ち止まることが正しい。焦ると冷静な判断や行動ができずに、かえって失敗の傷を広げてしまう。まずは一度落ち着け。深呼吸でもしてみろ。
「快楽を愛する者は欠乏に陥り、
酒と香油を愛する者は富むことがない(21-17)。」
会社のお金をプライベートに使ってしまうと、貧乏になる。そのときの一時的な享楽におぼれれば、無駄遣いをすることになるから、事業原資がなくなる。大抵起業家で失敗する例は、酒と異性に使うことと決まっている。
酒は円滑なコミュニケーションのツールになるから、使いようによっては有効だ。しかし毎日飲んでいると、無駄な出費が増え、自分の体にも悪影響を及ぼす。健康状態が悪ければ、仕事のパフォーマンスも落ちる。
後、飲む相手にもよる。仕事の憂さ晴らし程度であれば、時間の無駄とカネの無駄。できる限り仕事につながる飲み方をしたいものだ。
[教訓]
〇起業は、人を使うことが前提なら、自分の指揮力を高めてから始めよ。後で人を使うなら、事業しながら指揮力を高めよ。
〇人を使うのが得意な人に丸投げしてしまうのも、あなたの指揮力の一つ。
〇失敗したときこそ、一度立ち止まれ、そこで進むともっと損をする。
〇起業家は異性に金を使うとどこかで足元をすくわれる。どうしてもと言うなら軌道に乗ってからにせよ。