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これをやったら事業に失敗する三大条件とは

聖書に以下の事を学ぶ。

「無知なものは自分自身の道を正しいとみなす。

知恵ある者は人の勧めに聞き従う。」(箴言12-15)

数多くの経営者に会って思うことは失敗している人に限って、他人のアドバイスは全く聞かない。自分の考えが正しいと思っている。はっきり言おう。アンタの考えが一番間違っている。

当然上手くいっていれば誰も文句はないのだ。同じことを同じように何度も何度も面白いぐらいに間違い。全く反省しない。そうして人は離れていく。なぜ離れていってしまうか、気づいてもいないようだ。

経営者で本を読むのが好きな人が多い。そして本からの知識はすぐに導入するが、自分の得た知識で勝手に信念を固めてしまって、誰からのアドバイスも受けない経営者がいる。これではやはりダメなのだ。本を読んでいても全く意味がない。

本というものは、筆者の経験と世界観で書いている。普遍的なこともあるけれど、全てが普遍的ではない。筆者の世界観で偏った世界でしかない。ある産業では通用する考え方も他の産業では意味をなさない。それどころか、同じ産業の企業であっても、別の企業であれば、別の原理が支配していて、上手くいかないことだってある。参考にはなるが、書いてあることを実践したところで、確実にうまくいく保証はない。

筆者ができる限りの客観化に努めたところで情報の受け手である読者が、これまた偏った情報の収集の仕方をする。筆者の意図とは別の読み方をするし、自分の都合の良い解釈すらしてしまう。そうして、いつの間にかその読書によって得た知識が読者の自分ワールドになってしまっている。自分に都合の悪い情報は、スルーしてしまうのだ。こうなると、いくら本を読んで知識を入れたところ、実は「無知」と何ら変わりがない。まさに「無知なものは自分自身の道を正しいとみなす」という状況にある。

自分の脳というのは快楽主義であって、読書をすると、自分の生き方を肯定する情報を取り入れ、否定される情報はカットしてしまう。そうしてさらに、今まで失敗続きの自分が形作られて行ってしまう。

経営者は、人の書いた本を読んで知識を入れて満足しているのだろうが、現場に落とし込んで考えたときには、現場にいる人の方が空気感もわかる。本を読んで経営者自らが、手足を動かして実践する分にはいい。しかし、それを部下に言って聞かせて、やらせないことだ。

山本五十六の名言で、「やって見せ、言って聞かせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かじ」とあるが、最初に自分でやらなきゃいけない。もし最初にやったとしても、同じ会社で同じ仕事をやっている人の意見は聞くべきだ。彼らは現場がわかっているのだから、その現場にあった適切なアドバイスができる。そのアドバイスを最終的にどうするかは経営者自らの責任だ。但し、失敗したからと言って、スタッフに責任を押し付けないこと。

[教訓]

〇人のアドバイスを聞かない奴は失敗する。

〇但し人の話を鵜呑みにして疑わない奴もまた失敗する。

〇自分が一番正しいと思っている奴も失敗する。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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