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ビジネスの天才とは、タイミングを計るのが上手い人のこと

「アッシュビーは戦機を測るのが比類ないほど巧みだった。あれはもう天才というしかない」
一分早くても遅くても、作戦行動は瓦解してしまう。そのような、何万分の一かの戦機をアッシュビーは確実につかんだ。まさに神業としか言えなかったという。

(解説)
天才が天才である所以は、タイミングを測る能力に優れるということである。タイミングを逸していると、大抵成功はしない。

今すべきことを、先延ばしして今しない、今すべきではないことを、今早急な判断をしてしまう。これも全てタイミングであろう。

お客がある商品を購入するときは、その商品が欲しいときである。押しの弱い人でない限り、営業マンが押し売りしてきたときにそれを購入するということはない。そのため、欲しいタイミングを見計らって、その商品をお客に売りに行けば、お客は購入する確率が高くなるというわけだ。

例えば、三河屋のサブちゃんが定期的にビールを届けに行くついでに、いま磯野家が欲しがっているものを聞けば、今すぐ持ってきます、で売れる。押し売りには無駄なパワーが必要だ。そもそも欲しくないものを売られる方もたまらない。

事業の開始もタイミングが重要である。時代に先んずるものを開発して、俺は天才だーと叫んだところで、消費者がついてこない。結局失敗に終わる。よく言われるのが、時代の一歩先ではなく、半歩先を読め、ということ。数歩先を読むのはそれほど難しくはない。ここで数歩先とは、数年先、あるいは数十年先のこと。しかし、ビジネスは今すぐ客が必要である。それが半歩先なのだ。それを読むのが難しいので、読めた人は大儲けできるのである。良いか悪いかはさておき、コロナ騒動でマスク転売でぼろ儲けした人は初期に儲けた人だ。新規参入者は悉く、在庫処分にあくせくした。

ビジネスモデルにおいてタイミングを測ることは難しいが、商品販売において、タイミングを測ることは、天才でなくても可能だ。例えば、ネット販売であれば、顧客の購入履歴がわかる。定期的に購入していれば、ほぼ何か月ごとに買っているということがわかる。その次善のタイミングで、おすすめメールを送ればいい。仮に何日までに購入すればポイント還元、あるいは数パーセント割引と言えば、そのタイミングを多少早めることができる。

(教訓)
〇タイミングの測り方次第で成功できる。
〇顧客の購入履歴がわかれば、顧客が商品の欲しい時期を予測できる。
〇顧客の購入タイミングは、多少コントロールすることができる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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