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ベターの積み重ねがベストの結果を超える

「・・・現在の自由惑星同盟の権力体制がどれほどだめなものか、能力的にも道徳的にもですが、それをあなたは骨身に染みて知っている。にもかかわらず、全力を挙げてそれを救おうとする。こいつも大いなる矛盾ですな」
「私はベストよりベターを選びたいんだ。今の同盟の権力がダメだってことは確かにわかっている。だけど、救国軍事会議とやらのスローガンを君も見たろう。あの連中は、今の連中よりひどいじゃないか。」

(解説)
救国軍事会議がクーデターによって、同盟の指揮権を持ったが、単なる独裁的軍事国家のやり方と変わらない。今までの政体を維持する方が、その政体がどんなに腐っていてもマシ。つまりベストよりもベターという考えは、リーダーとしてはやむを得ない選択である。

経営者は常にベストを考え、それを長期的な目標に据えつつも、その目標に向かう道筋での選択は、ベターを採らざるを得ない。そもそも選択肢の中に、常にベストがあるという事がない。今の日本の政治を見ているとよくわかる。ベターな連中を選ぶしかない。政治に無関心な人の中には、ベストを選ぼうとしているから選択肢がなくなっている人もいるのではなかろうか。

経営者は投票と違って、放棄することはできない。常に売上を上げ、利益を出していかなければならない。意思決定の結果、損失を蒙ることがあっても、組織全体のキャッシュフローを絶やすわけにはいかない。そして、事業を行っていても、最善を尽くしたとしても、選択肢に最善がなければ、ベターで乗り切るしかない。対して売上が上がらなくても、売上を上げることも必要だ。

ベストの人選が出来なくても、ベターな人選をいかにしていくか、ベターの積み重ねが、ベストになると信じるしかない。もちろん、一発でベストがあればいいのだが、そんなに運のよいことはない。ヒットの積み重ねは決してホームランにならないことは分かっているが、結果、点数が入ればいいと考えれば、ヒットの積み重ねがホームラン以上の結果になることもある。つまり、今すぐベストではなくても、ベターの積み重ねがベスト以上の結果になるかもしれないのだ。

(教訓)
〇経営者は、ベストの選択肢を意識するな。ベターでもいいから前進せよ。
〇ベターの積み重ねが、ベストの結果を超えることがある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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