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偉大な人には大風呂敷を広げて話せ

「立ったままで御意を得ます、皇帝ラインハルト陛下」
「卿の名を聞こうか」
「ユリアン・ミンツと申します、陛下」・・・
「で、卿は予に何を提案するために、ここまでやってきたのだ」
「陛下がお望みであれば、平和と共存を。そうでないときは・・・」
「そうでないときは?」
「そうでないものを。少なくとも、一方的な服従を申し込むために、ここに参上したのではありません。ローエングラム王朝が、病み疲れ、衰えたとき、それを治癒するために必要な療法を、陛下に教えて差し上げます。虚心にお聞きください。そうしていただければ、気っとわかっていただけます、ヤン・ウェンリーが陛下に何を望んでいたか・・・」
「大言を吐くやつだ。予に教えてやると?」

(解説)
ユリアンの詭計と、ラインハルトの病により帝国軍の乱れた一瞬の間隙を突き、ユリアンの乗る強襲揚陸艦がラインハルトの旗艦ブリュンヒルトに接近し、イゼルローンの兵士がブリュンヒルトに乗り込んだ。最終的に、帝国軍の防御を潜り抜けて、ユリアンのみがラインハルトの元にたどり着いた。そこにいたのはミッターマイヤーとそしてユリアンと面識のあるミュラーである。ラインアルトがユリアンを殺そうとしたのであれば、間違いなく殺されていたのであろうが、絶対的勝者であるラインハルトはそれを望まなかった。それで、上の状況になるが、大言を吐く前にユリアンは倒れてしまい、医者を呼ばれた。

ラインハルトは元々ユリアンを殺す意図はなく、目の前にたどり着いたら話を聞くつもりであった。こんな無謀なことをする奴がどんな奴かが興味があったというところだろう。

成功者はただでさえも忙しい。それ故、普通の人に会っている余裕はない。もし会いたければ、普通の人のレベルのことをしていては、会ってはもらえない。そして会う前には度肝を抜き、会ったときには「大言壮語」を吐くに限る。その人に合ったスケールの大きな話にしか関心がない。小人はそのような考え方になれないから、通常は相手にされない。

あとは、偉い人にあったからと言って、こちらが引け目に感じてはいけない。上から目線は流石にマナー違反だが、あくまでも対等感を出した方がいい。もし仮に、そのような態度を取って、向こうがこちらを下に見てくることがあったら、その偉い人は大して偉い人ではない。偉い人ほど、さらに相手がこちらよりも下に出てこようとするから、本当に恐縮するものだ。だから、永遠に対等感が出せない。

(教訓)
〇偉人にはそれにふさわしい大きな話を持っていけ。大言壮語を吐くのだ。
〇偉人に時間を取ってもらうためには、奇抜なことをせよ。目立たなければあってもらえない。無謀なことをする面白い奴だとかえって興味を持ってくれることもある。
〇向こうの態度が偉そうだったら、大した偉人ではない。偉大であればあるほど、こちらが恐縮するくらいに、下手に出てくる。だからこちらがもっと恐縮してしまう。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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