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ビジネスとは、理想だけでは動かない。では必要なものとは?

「だから使用されてないブロックの設備を取り外して、別のブロックで使用する。これでまあ、ある程度は補えるが、それで足りないときは・・・」
「どうするんです?」
「帝国の工業製品を輸入するさ」
・・・
「戦争してるのに?」
「フェザーンを経由して三角貿易をやるのさ。帝国からフェザーンが輸入する。一度フェザーンの所有になったら、どう処理しようとフェザーンの勝手だからな」・・・
「経済とはそういうものだよ。理念じゃ動かない。あるのは現実だけだ。その点、政治や軍事よりシビアかもしれんぞ」

(解説)
イゼルローン要塞は元々帝国軍のもので、それをヤンの詭計で同盟側が現在占有している。そのため、内部の部品は原則帝国製である。壊れたらお取り寄せができない。応急措置として、使用されていない設備を取り外して使用する。これで足りないときは輸入するのだが、戦時中で輸入できない。そのため、フェザーン経由で輸入する。

ここで理念とは、同盟と帝国は戦時中であるから、お互いの貿易は不可能。現実はフェザーンを介して貿易を行う、ということになる。うやむやにして、本来取引できないような軍事物資(厳密には軍事転用可能品)も、共産圏との間で取引されてしまっているのかもしれないと思うと、恐ろしい。

さて、ビジネスは低きに水が流るる如く、というように儲けるところにはモノとカネが流れる。儲けるということに関しては、理念に反していても達成されてしまう。あるべき論ではモノやカネは動かない。起業家の中で、社会はこうあるべきだ。この技術は消費者は使うべきだ。といったところで、理念ではスムーズに動かない。例えば、化石燃料は二酸化炭素を増やし、地球温暖化を促進する。だから化石燃料を使うべきではない。とべき論で話したところで、そう簡単に再生エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)が主流になる日はそれほど近くもない。今日もまだ、ガソリンエンジンで石油をエネルギーにして、自動車は走っている。エコカー減税を仕掛けたところで、そう簡単に水素自動車や電気自動車が主流になるわけでもない。結局はコスパという考え方が邪魔をするのだ。

ビジネスにおいては、べき論ではなく、まずはコスパを考え、上手くいってからべき論を唱えて、備えればよい。体力のない所はそうせざるを得ない。

(教訓)
〇ビジネスは、べき論よりも儲かるかどうかである。
〇べき論は、儲かった後でも実現せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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