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売上を上げることを、会社の目的とするな

ラインハルトの思考は、戦争それ自体への否定へは向かわない。戦略的意義を無視して、ただ当面の敵に一定の損害を与えればそれで済むとしている、構想力と覇気の欠如が、彼の怒りを掻き立てるのである。

「こいつらには、いや、こいつらだけではない、帝国軍の上層部からしてそうだが、何故戦うのか、目的を達成するために何をなすべきか、まるで考えていない。敵がいれば戦って勝てばよい、としか思っていないのだ」

(解説)
目の前の敵に勝てばよい。というだけでは足りない。その敵になぜ勝たなければならないのかという目的意識を持つべきだ。

会社のノルマというものは、その目的がいつのまにか数字というものだけになってしまっているから、目的意識が必要なのである。今月、何件の客からいくらの商品を提供すること、が目的化してしまうと、単なる数字を追うだけになってしまう。そのため、ありとあらゆる手段、つまり顧客を騙しても、売上が上がればよい、という発想になってしまう。ときにはお客を脅す、お客に泣きつく。何でもありだ。そして会社はその行動を賞賛するようになる。もちろん、脅していてはそのうち警察沙汰にはなるが。

本来、「売上が上がればよい」ではない、もっと高度の目的意識を持つべきなのだ。この商品をお客に提供することで、お客に喜んでもらって、ひいては社会貢献につながる視点が必要だ。無駄にお客に物を買わせればいいのではない。

なぜ、という視点が完全に欠落している会社が多いのだ。あったとしても、その「なぜ」は、自分たちの懐を肥やすという自己満足に陥っている。「なぜ売るのか、売るためには何をなすべきか」、それが、「客がいれば売ればよい」としか思っていない会社が多すぎる。

なぜが自己満足に陥ってしまうと、何も自分たち都合ですべて考えてしまう。つまり「何を」において、お客が全く望んでいない、テレアポ営業で、会社の電話担当者に対して無駄な時間を使わせてもなんとも思わない社会悪な存在になる。

結局のところ、はた迷惑な企業とは、「なぜ」に社会的意義もなく、構想力がない会社なのである。まあ要するに、欲望優先的な前頭葉の弱い「バカ」な連中ということだ。そもそも売上を上げるという事が目的の会社だったら、それ以外の会社なんて吐いて腐るほどいるわけで、そんな会社に存在意義なんてなんてないわ。

(教訓)
〇ビジネスでは、まず会社の社会的存在意義を問え。オンリーワンの存在であれ。
〇社会的意義があり、構想力のある会社になれ。
〇売上を上げる会社というだけならば、社会的存在意義はない。そんな会社は吐いて捨てるほどある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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