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会社組織は動物園ではない

当時、士官学校の校長はシドニー・シトレ中将で、教育家としてのこの人は、極めて開明的で目配りが行き届いた。「特権を与えられるという事は、自分の器量を常に試されるということだ。諸君が下級生の人望を得られるか否か。それは仕官となって後、兵士の信頼を得られるか否かに直結する。私としては、上級生諸君が、厳格さとサディズムとを峻別できるものを期待する」。名校長というべき人物だった。

(解説)
シトレ中将は、良いことを言う。「特権を与えられるという事は、自分の器量を常に試されるということだ」、これを心がけているリーダー(経営者、政治家含む)がさて何人いるだろうか。

その特権をフル活用して銭儲けに使っているとしか、到底思えない事柄が続いている。政治家であれば、どんな不祥事を起こしても、次に当選すれば、その不祥事は吹っ飛ぶが、経営者は、不祥事をすればやめればいい。どちらも厳密は、不祥事が見つかったらという意味で、見つからなければラッキーで、そのままスルーである。絶対に自分の器量が常に試されているなんて言う自覚なんてありはしない。

また、学生時代に人望を得られることが、軍隊に入っても兵士の信頼を得られることに通ずるとしているが、優れたリーダーは場所を選ばない、立場を選ばない、と言ったところであろう。

さらに厳格さとサディズムを峻別することができる、とも言っているが、ここでサディズム(sadism)とは、相手を身体的に虐待を与えたり、精神的に苦痛を与えたりすることによって性的快感を味わう、加虐性欲のことである。性的嗜好のサディズムは性的サディズムという事が多く、加虐的な傾向一般をサディズムと呼んでいる。劣悪な環境にいたり、自分がそのようなことを上官や先輩などから受けると、おなじようなことを下官や後輩にすることがある。学校、特に部活ではよく見受ける。傍から見るとただのアホにしか見えない。

いじめと厳しい指導の違いが判らない奴は、優れたリーダーにはなれない。ブラック企業のノルマ上司は、おそらく結果を出させるための厳しい指導だと思い込んでいる節があるが、実はメンタル的に部下を傷つけるいじめにしかなっていないことが多い。自分が下だったときに、上からそうされたんだろう。思いっきり憐れんでやった方がいいい連中だ。どちらにしてもそんな上司のいる会社に先はない。そんな上司のいる会社は、その上の上司、経営者も似たり寄ったりである。いじめとは、結局のところ、いじめる側の精神的抑圧の発散でしかない。そんな場所は会社ではない。動物園である。動物園の猿とブラック企業の経営者はいい勝負である。まあ、そんな会社はすぐ辞めろと思うが、いる間は猿がキーキー言っていると思えば腹も立たない。しかしメンタル的に追い込まれれば、そんな余裕はないのだが。

(教訓)
〇特権を与えられるという事は、自分の器量を常に試される、ことを自覚せよ。
〇動物園の猿とブラック企業の経営者はいい勝負である。どちらが猿だかわからん。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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