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本物を作れ、本物は残る、偽物は消える

一時期、重機動装甲服が宇宙時代の最高兵器ともてはやされながら、ごく短期間に廃れてしまったのは、精密誘導兵器に対する弱点を抱えていて、それが致命的なものだったからだ。重量が、特に接地圧の高さに現れて動作が鈍く成れば、精密誘導兵器の好餌である。ジャンプ・ロケットを取り付けても積載燃料の量がごくわずかなのですぐエネルギー切れになり、やはり精密誘導兵器に狙われる。パワーとエネルギーを強化するため超等身の巨大なものにすれば、ますます狙いやすくなるだけである。ことに、安価なロケット弾一発で、パワード・スーツそのものは破壊できなくとも、中にいる着用者が衝撃で動けなくなり、特に脳震盪を生じて無力化する例が続発してからは、ばかばかしくなって、いずれの陣営でも使用しなくなった・・・。

(解説)
銀河英雄伝説には、いわゆるロボットは出てこない。このストーリーはそんなものに頼らなくても非常に面白い。まずパワード・スーツ(重機動装甲服)は、設置したときに動きが鈍く成れば、精密誘導兵器に狙われる。そして、そこにジャンプ・ロケットを取り付けてもエネルギー切れになる。ボトムズのアーマードトルーパーやザブングルのウォーカーマシンを想像してしまう。ロケット弾一発で、パイロットが脳震盪を起こして無力化することは十分に考えられる。その前にザブングルのウォーカーマシンは宇宙空間は想定されていないが、二足歩行で走るときに、揺れて乗り心地が悪いと、ウォーカーマシンを開発したイノセントのリーダーであるアーサー・ランクは言っていた。

パワーとエネルギーを強化するため、巨大なものにすれば、ますます狙いやすくなる。ガンダムのモビルスーツ等よりも、ミサイルの方が機動性がよさそうだ。もちろん撃ち落されることもあるだろうが。精密誘導兵器を前提とした場合、それに対抗できるとすると、その兵器よりも高速でなければならない。そうなるとマクロスのバルキリーは戦闘機形態であれば、逃げることもできそうだ。この世界では戦艦の他には、戦闘機が出てくるから、この世界で活躍できるとしたら、マクロスのバルキリーは当然のこと、ガンダムの世界ではコアブースターであろうか。

アニメの話は、横において置き、ビジネスの世界には短期的に廃れるものが少なくない。近年においては、タピオカもそうかもしれない。これはブームというものである。ブームに乗っかろうと、多くの業者が乱入してくる。その中で粗製乱造の粗悪品も出回る。価格競争が起き、儲からなくなる。消費者も目新しさがなくなってくる。そして終わる。

当然、致命的なものも短期的に廃れるだろうし、もっと良いものがすぐに出てくる市場でも同じものが残る。しかし、コスパが高く、本物は残る。上記の例でいうと、パワード・スーツよりも、精密誘導兵器の方がコスパが高く、成果を出したのであろう。ガンダムの世界では、プラモデルが売れるから、という大人の事情はさておき、ミノフスキー粒子散布下の有視界戦闘においては、モビルスーツの方が有効だった、という設定だ。

(教訓)
〇コスパが高いもの、本物は残る。
〇単なるブーム、致命的なものは廃れる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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