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従業員のシェアリングも検討せよ

大艦隊同士の決戦による覇権争奪、その形式自体が古いのではないか。ヤンはこの頃そう思うようになっている。

要は、必要な時間に必要な空間を確保しておくことである。一定の宇宙空間を、一定の時間、利用できればそれでよいのだ。恒久的なスペースの確保を狙うから、自ずと航路帯も限定され、戦場も限られ、戦わざるを得なくなる。しかし、敵のいない場所を、敵がいない間だけ使えればよいはずではないか。

この戦略思想を、差し当たってヤンは「宙域管制」と名付け、それまでの艦隊決戦によるものを「宙域支配」として、それより一段と柔軟で合理的な戦略思想として体系化してみたいとも思っているのだ。

(解説)
上記、ヤンの戦略思想は、シェアリングエコノミーを彷彿させる。

資本主義社会の根幹には、所有権思想がある。所有権は権利を持つ者以外の使用を原則的に禁止する排他的なものである。ある所有物の所有権を確保するためには、売買をするか、あるいは、強奪するしかない。当然、法治国家では、強奪は法律違反となる。

上記のように、宇宙空間のように無限に近いものであれば、相手のいない所なら使わせてくれということも可能であろう。地球上は、公海はさておき、原則、どんな土地も勝手に使われたら困るという原理原則がある。

しかし人類のルール決めで、例えば不動産は賃料を払えば、利用権が与えられる。特許権も使用料を払えば、使用権を与えられる。

何が何でも所有権でもって、自社で使うという時代では段々なくなってきている。不動産の転貸だって、なるべく認める方向性で考えていった方が、不動産のオーナーにとっても、良いことだと思う。企業の従業員も、もちろん秘密保護があるから、シンプルにはいかないが、もっとレンタル制度があっても良いと思われる。遊休人員は多いが、遊ばせておくのももったいない。

まあ、現実的には、その遊休人員の多くは、年配のプライドが高い妖精さんだろうから、使い物にならないケースが多かろう。いらない人材を押し付けるのは、決してレンタル制度とはいわない。どの企業だってゴミ捨て場じゃない。

有能なのだが、今の会社の事業にはそぐわないような場合は転職しかないが、一時期、ある事業が停滞していて、現在他の事業に移籍させることのできないような場合には、もっと従業員のシェアリングを検討しても良いと思う。

その結果、レンタル先で能力を生かして、そのまま完全移籍(転職)というのでもよいのではないか。

(教訓)
〇従業員のシェアリング制度を考える時期に来ている。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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